そして、彼は考えるのをやめました。5 (ページ42)

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■Episode237 ページ42

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【タママケロン星から来た少年であります】

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［天高く馬肥ゆる秋］

「えぇーい！！しゅとっ！う゛ーーっ…チェストォ！」

［1人の男が己を鍛え、技を磨くために
激しい特訓に明け暮れていた］

西澤邸では、下半身道着を着て
体を激しく動かしているタママ。

そんな姿を桃華は紅茶が入ったティーカップを持って、
口に付けて紅茶を含む。

「ゔぉぉ…っ！タママインパクトォォ！！！」

西澤タワー目掛けて、口から光線を吐くタママに
ポールと桃華は微笑ましそうに見ていた。

西澤タワーはタママインパクトによって
少し大きな爆発を起こしていた。

「………ふひゅー…」

「タマちゃん凄いわぁ！」

「流石はタママ殿。見事な技のキレ」

「いやぁ！それ程でもあるですぅ！」

タママインパクトによって
西澤タワーが爆発を起こしたのにも関わらず

何の焦りの描写も全く見えず
桃華とポールはタママに拍手を送り
タママ自身も自信満々に頭を掻いて言った。

「侵略者の上達を見守るのも、中々複雑な心境ですなぁ」

「ふふん。その時は手加減しないですよ？ポール」

そんな会話を交わしていると
突然西澤邸の庭から大きな警報が鳴る。

〈緊急事態、緊急事態。
成層圏より飛来した未確認飛行物体、急速に降下中。

落下予想地点は…〉

西澤邸のど真ん中に、謎の飛行物体が落ちてきたのだった。

オレンジ色の球体をした物は
勢いよく落下したせいか、穴が開きそうな程な衝撃で、
地面の土が見えてしまったのだった。

「一体何なの…？」

「桃華様、お下がりを」

「もしかして…」

タママには、見覚えがある球体なのか、
冷や汗を垂らしながらも、
出て来る人物を待ち構える。

一体誰が何しに地球に来たのであろうか。

すると、閉ざされていた扉が開かれて、沢山の煙が出て来る。

「………っ！？」

タママはある人物を見て驚いた表情をした。

「タルル！？」

「うっ…あぁ…っ！タママ師匠ー！！
元気だったっすかー！？」

「うわぁっ！」

水色の体色をしており、頬にそばかすがある
タママと面識のあるタルルという少年は、

タママの顔を見て涙目になって、タママに
勢いよく抱き着いて、肩を勢いよく揺らしていた。

「どうしたんだよ！？お前！いきなり！」

「尊敬する我らが先輩！タママ師匠の活躍っぷりを！
幼年組の代表としてこの目に焼き付けてこいって
話になったんっすよー！」