そして、彼は考えるのをやめました。5 (ページ41)

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Episode236 ページ41

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「といやっ！」

デスクを拘束していたアームも外れて、
散世と山裏が縛られていたロープも

ドロロが小刀で素早く切って、
何とか3人は身動きが取られるようになった。

「冬樹ぐーん゛！あ゛り゛か゛と゛う゛！！」

「「ありがとう…！ありがとう…！」」

泣きながら冬樹に感謝するデスクに、
続いて両手を握って涙目になって
お礼を言う散世と山裏。

そんな姿を冬樹は唖然として見ていた。

「しかーし！記憶は消去させてもらうであります！」

「「「ヒィっ！！！」」」

ケロロ小隊の後ろに出て来たのは、
記憶消去させるための機械やらが沢山出て来る。

その機械に怯えてしまった3人は、
目に涙を浮かべて冬樹にしがみついた。

「記憶もそのままにしてあげて？」

「えー？」

「いや、しかしだな！」

「我々の存在が地球(ペコポン)の人々に知れ渡ることに…」

「大丈夫、だと思うよ！」

冬樹の言葉に驚愕の声を上げるタママと、
微妙に反応したギララ。

焦ったように言うギロロとドロロであったが、
冬樹は笑ってウィンクをして6人に
安心させる言葉を掛けたのだった。

冬樹に考えがあるのだろう。

＿＿＿＿＿＿＿＿

［そして、翌日］

「ほんとなんだって！カエルの宇宙人が6匹も！ 6匹も！6匹も居たんだぞ！？なあ！？これはもう…」

やはり、この事は新聞に出されることとなり、

『スクープ！日向家の謎宇宙人は実在した
！！』

という大きな見出しで写真もなしに、
3人は廊下で強く主張をする。

…しかし。

「馬鹿馬鹿しい！」

「漫画じゃないんだからね？」

「証拠見せてみろ！証拠！」

信じる者は誰一人おらず、呆れたように言う者や
怒りながら言う生徒の方が多かったのだ。

「ほ、ほんとの話なんだな！」

「そうよ！この目で見たんだから！」

「ほんとだ！カエルが6匹もだぞ！？」

しかし、負け時と「見た」と主張する新聞部の3人。

しかし、腰に手を当てて鬱陶しそうに見ていたり、
呆れて見ている人、溜息を吐く人。

やはり、誰も彼らの話を信じなかった。

［冬樹のお情けを無にした新聞部。
だが、学校の誰一人信じてくれなかったとさ］

「アハハッ！」「フフッ！」

そんな新聞部の姿を見ていた冬樹と桃華は
目を合わせた後、共に微笑みあった。