そして、彼は考えるのをやめました。5 (ページ40)

今日:37 hit、昨日:20 hit、合計:16,759 hit

Episode235 ページ40

✿

「「デスクぅ…」」

「お前らっ！」

デスクは左側を見ると、ロープで縛られて身動きが取れず、
ギロロに引っ張られている散世と山裏。

そして、泣きそうな声で彼の名前を呼んだ。

「ゲロゲロゲロゲロゲロゲロ…」

「タマタマタマタマタマタマ…」

「ドロドロドロドロドロドロ…」

「ギラギラギラギラギラギラ…」

「ギロギロギロギロギロギロ…」

「くっ…！こんなに沢山仲間が居たのか…」

デスクの側では、クルル以外の5人が共鳴をしており、
デスク自身も仲間が沢山居たことに驚いていた。

すると、「クルクルクルクルクルクル…」と
別の所からデスクの耳に届いた。

「クックック…。
わざわざ実験に協力しに来てくれるとはな」

「実験！？」

「新兵器を試させてもらうぜ」

「な、何だと！？」

クルルが小さいチップを取り出して、
下から現れた可愛らしい生き物が出て来る。

「クックック。信用しろって。ポチッと！」

ミー、と可愛い声で無く生物に、
クルルが発明したチップを貼り付ける。

すると、頭の上には電流が走る。

小さかった生物は徐々に大きくなっていき、
どんどん面影すら無くなってしまう。

「グワァッ…！！」

「ほらなァ？良い感じだろォ？クックックー」

「イヤァーーッ！！！」

不気味に笑うクルルの横では、
今にも暴れ出しそうな紫色の生物。

そんな生物を見たデスクは甲高い悲鳴を上げた。

生物はデスクの方だけでなく、
散世と山浦の方にも近付いていき、
2人は焦ったような声を出す。

「ゲーロゲロゲロゲロゲロ…」

「もうそのくらいにしてあげてよ、軍曹」

「ケロ？おー、冬樹殿」

当然、秘密基地のドアが開き、
ケロロ達は冬樹の声がする方へ視線を向ける。

そこには、冬樹、小雪、モアの3人の姿があった。

「これ以上は可哀想だよ」

「えー？これからが良い所でありますのにぃ…！」

「お願いだよ、軍曹。ねっ？」

困ったような表情をして、ケロロに手を合わせて、
お願いをする冬樹に、腕を組みながら
ケロロは「うーん…」と唸りつつも考えていた。

「冬樹殿がそこまで言うなら…。クルル曹長！」

「ちっ。ポチッと…」

ケロロに指示されたクルルは舌打ちしつつも、
渋々、大きくなっていた生物は小さくなって、
元の可愛らしい生物に戻ったのだった。

生物はまた可愛らしく「ミーン」と鳴いた。