そして、彼は考えるのをやめました。5 (ページ37)

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Episode232 ページ37

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「？ケロロくん」

ゆっくりと立ち上がって、青いオーラを纏い、
目を光らせるケロロの姿を見てドロロは名前を呼ぶ。

「ゲロ…我輩の自由が失われたのは…
アイツらのせいであります」

［いや、それは…っ、ちょっと違うんじゃないかしら］

「この悲しみと憎しみ…
全てあの地球(ペコポン)人共にぶつけさせてもらうであります！」

［いや、だから、それは八つ当たりだってば］

そう。何かと冬樹を付け回る新聞部も悪いが、
夏美の言うことを破ってペコポン人スーツを着て
買い物を繰り返していたケロロも悪いのである。

涙を流して新聞部の3人に復讐を誓うケロロに、
ナレーターは的確なツッコミをした。

＿＿＿＿＿＿＿＿

庭に隠れて周りを確認した後、部長である男子生徒は、
葉から顔を出して壁に張り付く。

それに続いて他の部員二人も出て来た。

「潜入完了。これより取材を開始する。
カエルみたいな男と日向冬樹のツーショットを抑えるぞ」

「任せとくんだな」

指示をさせたのは新聞部部長のデスク、という男。
デスクの指示に了承したのは山裏帝明(やまうらていめい)と、カメラを構えた男。

「手段を選ばん。我々には報道の自由がある」

「了解」

何としてでもケロロと冬樹の写真を撮るべく、
部長であるデスクは2人の部員に指示を出して、
2人は一斉に別の場所に行って行動を移す。

カメラを構えた山裏は庭から張り込みを行うが、
上に視線を移すと、誰かが風呂に入っているみたいだった。

「ふぅ…良いお湯〜♪」

丁度、夏美が風呂に入っており、
彼女はとても気持ち良さそうにお湯に浸かった。

山裏は顔を赤くして周りに
人がいないかだけを確認する。

一体何をするのか大体予想が付くだろう。

「カエル頭の写真は後回しなんだな…」

カメラに取り付けて、夏美の入浴を盗撮しようと、
開いている窓から風呂場を覗く山裏。

歌を歌いながら風呂に入る夏美が映ったと思いきや、
何かに塞がれて山裏は近くでよく見る。

ギロロがそれを阻止したのであった。
ギロロは盗撮しようとした山裏を睨み付けた。

「何だ貴様は…っ！」

「………っ！？」

ギロロに気付いた山裏は、決して大きく叫ばず、
声にならないような悲鳴を上げていた。

「(軍曹、落ち込んでなきゃ良いけど…)」

机に向かって勉強しながらも、頬杖をついて
ケロロの事を考える冬樹。