そして、彼は考えるのをやめました。5 (ページ35)

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Episode230 ページ35

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「日向冬樹。この生き物に見覚えがあるだろう」

「え？…はぁ？
うわぁ、こんな出来の悪い合成写真初めて見たよ」

桃華と楽しそうに喋っていた冬樹は、
新聞部の部長である男子生徒に止められて、
見せられた写真を間近で見る。

しかし、リアルなカエルの写真に、
傘を持ってゴルフをしようとしている
合成写真を冬樹に見せると、彼は案の定この反応。

「っ！？し、白を切るつもりか！？

君がこいつと何らかの関係があることは、
分かっているんだ！

ほら、これが運動会の写真。
そしてこれが芝居に乱入した時の写真だ」

「世の中には色んな人がいるし、
見た目で判断するのはよく無いんじゃないかな？」

今度は、ペコポン人スーツを着たギロロが
夏美と共に二人三脚をしている写真。

そして、劇に乱入したケロロの写真があった。

しかし、それを冬樹は上手く交わしていく。

「ご、誤魔化しても無駄なんだな…」

「私達、このカエルみたいなやつが
貴方の家に入っていくところを見たんだから」

「そうだ！素直に奴との関与を認めろ！」

新聞部が冬樹を問い詰めている途中で、
「あの…その…」と桃華が彼らの話を止めようとするが、

聞く耳を持ってくれず、下に俯いて震えていると、
桃華は裏桃華へと人格が変わっていく。

「テメェらいい加減にしやがれ！
冬樹くんは知らねぇって言ってんだよ！

文句があるならこの桃華様がきっちり話し出して
「西澤さん、良いから…！」

……え？」

「行こっ！」

「あぁっ！冬樹くんったら…！」

代わりに裏桃華が新聞部と話を付けようとするが、
冬樹に無理矢理止められて、桃華の手を引いて
逃げるように廊下から立ち去る。

「「「あっ！」」」

「ま、待てぇっ！」

一瞬、唖然としていた新聞部であったが、
我に返って逃げる二人を追いかけたのだった。

その様子を木の上からある者たちが見ていた。

「あのお芝居に出なければ、
こんな騒ぎにならなかったのに…。

私が悪かったのかなぁ…」

「誰のせいでもござらぬよ、小雪殿」

木の上から申し訳無さそうに言う小雪であったが、
木の枝で逆さ吊りしていたドロロに
優しく言葉を掛けられたのだった。

そう、誰のせいでも……無いのであろう。

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「軍曹ー！またあの変なスーツで出歩かなかっ…」

「ゲロ？」

「…出歩いたんだね」