そして、彼は考えるのをやめました。5 (ページ34)

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Episode229 ページ34

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ケロロが着ているペコポン人スーツに驚きながらも、
苦笑いしながら言う大学生くらいの男性。

「コレでありますか？」

「え……あ！それです！ありがとうございます！
はぁ…レポート落とすの何回目だっけ…」

ケロロが持っている紙を見せると、
男性は喜んだ表情をしてお礼を言う。

ケロロからレポートを貰って、
ブツブツと小声で言う男性。

どうやら、よくレポートを落とすらしいが、
単位の問題もあるので危険だろう。

レポートをファイルに入れて、男性は
トートバッグに入れようとすると、
ケロロはトートバッグの中にある物を見掛けた。

「(あ、アレは…！『HGUC 1/144 ジ・オ』！？
結構お高めのヤツ…この男…やりおるな…)」

「……？」

トートバッグの中に袋で入れられていた
ガンプラのパッケージにケロロは驚愕しながらも、
目の前にある男性を怪しい笑みで見詰める。

男性はケロロからの視線に、
汗を垂らしながら不思議そうに首を傾げた。

「そんじゃ！もう落とすんじゃないでありますよー」

「え…あ、ありがとうございました…！」

「ゲ〜ロゲロ…」

「…………」

そして、また漫画を両手で抱えたケロロは、
日向家に帰ろうと歌を歌って歩いていた。

そんなケロロの姿を男性は唖然としながら、
2回瞬きをして見ていたのだった。

「ゲ〜ロゲロ♪ゲロ♪ゲロゲロロ♪」

歌を歌って日向家に入っていく様子を
ある3人組は着いてきたのだった。

「今の決定的瞬間…抑えたか？」

「と、撮り損ねたんだな…」

「チッ…運動会、そして演劇部の発表会…。
吉祥学園のイベントに出没する…あれは一体何なんだ…」

［新キャラ登場！ケロロ軍曹を付け狙う3人組。
吉祥学園新聞部！略して『KGS』！］

日向家の前に登場したのは
メモを持っている女子生徒と、カメラを構える男子生徒。

そして、真ん中には日向家を見る男子生徒が立っていた。

「あのカエル頭の正体を暴けば…
見出しスクープ間違いなしですね」

「ああ、日向冬樹を締め上げて吐かせてやる」

「でも証拠写真が無いんだな…」

証拠写真が無いままでは、冬樹を問い詰める事が出来ない。

不安そうに聞く男子生徒に
もう一人の男子生徒は「フッ」と鼻で笑った。

「そんなもの…捏造すればいい」

［捏造ってのはね、嘘をホントのように
でっち上げる事なんだよー！］

新聞部というのにやり方が最低そのものであった。