そして、彼は考えるのをやめました。5 (ページ25)

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■Episode220 ページ25

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【夏美&小雪舞台にかける青春であります】

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［芸術の秋にちなんで、今回はお芝居のお話だよ〜！］

「え〜っ！？お芝居…？」

「お芝居ですか！？」

目を開いてやけに驚いている様子の夏美と、
その後ろでは輝かしい瞳をして見詰める小雪。

「お願い！この通り！私の初演出なの！絶対成功させたいの！」

「弥生(やよい)を助けてあげて！」

「そ、そんなの！演劇部の人たちがいるじゃない！
何も私た「2人じゃなきゃダメなの！」」

焦ったような口調で首と手を横に勢いよく振る夏美。
夏美の言葉を弥生は真剣な顔で遮る。

「このお芝居は…役者の身軽さがポイントなんだから！」

「『ピーターパン』…」

どうやら、夏美と小雪を役者に誘ったのは、
2人の運動神経の良さから選んだらしい。

『吉祥学園中等部演劇発表会ピーターパン』

というタイトルの下には、ピーターパンのイラストが
描かれてある台本を弥生は二人に見せた。

「面白そうですね！夏美さん！一緒にやりましょう！」

「えぇっ！？いや…あの…わ、私は…」

「やりましょう！」

大きく手を横に振って断ろうとする夏美であったが、
小雪は笑顔で夏美の手を取ってお芝居に誘う。

すると、夏美はより汗が大量に流れる。

「お願い夏美！」

「夏美！」

「ぁ……ううぅ…」

弥生や五月(さつき)からもお芝居に誘われて、
断ることが出来なかった夏美の口角は不自然に上がっていた。
結局、夏美はそのお芝居の誘いを受ける事となった。

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「『おおおお、ぴーたーぱん…。
きっときてくれるとおもっていたわ。

このかげをさがしにきたのでしょう』……」

「「「(……棒読み)」」」

「ぴっ、ぴっ、ぴっ！『ぴーたー…』………っ！
だからヤダって言ったのにぃ！！」

いざ、劇の練習をやろうとしていたが、
夏美のあまりの演技の下手さに
周囲は唖然として彼女を見る。

彼らの視線に気付いた夏美は泣きながら訴えたのだった。

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「姉ちゃん！？」

「どうしたでありますか！？」

「…暗いね」

学校から帰ってきた夏美と小雪。

リビングでは明らかに暗い様子の夏美に
ケロロと冬樹は驚いた様子で彼女を見て、

珍しく地下の秘密基地ではなく、
リビングに来ているギララは無表情で言った。

「実は私達、演劇部のお手伝いをすることに
なったんですけど…それが…何というか…」