そして、彼は考えるのをやめました。5 (ページ24)

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Episode219 ページ24

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「(クックックー。
俺様はどんな言葉にも動じないぜェ。

無駄な足掻きはやめといた方が…)」

「あのー」

「………(なーんだ、コイツか。
もっと骨のある奴はいないのかねェ)」

クルルは、モアの登場に動じず作業をしながら、
そんな事を考えていた。

すると、モアは作業をしているクルルに
何も言わずに、ただ黙って近付く。

「ン？………ヘッ。
(泣かない程度にあしらってやるか)」

クルルがそっぽを向いて作業を行うと、
モアはまた黙って興味深そうに見て

「ン？」と声を上げつつも、
鬱陶しそうにまた別の方を向いて作業を行った。

「(な、何なんだよコイツ…。
何で黙ってんだよ。何か言ったらどうなんだよ)

………クッ！？」

間近で見てくるモアにクルルは大きく反応して、
彼の額には汗が流れてくる。

「(な、何見てんだ一体…。

アイツとはちげェ…そ、そんな目で…
そんな目で俺様を見るんじゃねェ…)」

［モアちゃんのピュアな心は、
クルルの邪(よこしま)な心を容赦なく照らし続け…］

「(何作ってるんだろう…？)」

輝いた目でクルルが何を作っているのか、
興味深そうに作業を見るモア。

しかし、それにクルルは大ダメージを負ったようである。

そして、クルルが言う『アイツ』というのは、
モアと同じように見ていたギララの事だ。

［そして、1時間後］

足音が聞こえて1時間後待っていた7人は
ラボの方へと視線を向ける。

「わぁ…分かった…。もう寄せ…。
キラキラした目で俺を見るなぁ…！」

「「やったー！！モアちゃん偉い！」」

「？」

クルルを説得出来た事に喜んでモアに言う一同に、
モアは何のことか分からないのか、
2回ほど瞬きをしていた。

［乙女の前には陰湿なクルルも…
「だから台本にそんなこと書くからつい…」

陰湿なクルルも形無しなのでありました。
ていうか、純真無垢？］