そして、彼は考えるのをやめました。5 (ページ19)

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Episode214 ページ19

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大きかった家はどんどん小さくなっていき、
桃華は誰か助けを呼ぶが、家は小さくなった。

すると、騒ぎを聞き付けた冬樹が家を出て、
道路を見るとそこにはモアが小さくなった
桃華フォイフォイを持っていた。

「？」

「モアちゃん！
西澤さんの悲鳴が聞こえたような気がしたんだけど…。
それは？」

「さあ…？ていうか、害虫駆除？」

モアが持っていた桃華フォイフォイを
冬樹に渡すとすぐに黄色い煙に包まれ、
冬樹は驚いた声を上げて、モアは悲鳴を少しだけ上げた。

「あぁあっ！」

「ッ！いってぇっ！」

桃華を姫抱きをした冬樹であったが、
驚きの方が勝ってしまい、桃華を落としてしまい、
案の定桃華は目に涙を溜めて痛みを訴えた。

＿＿＿＿＿＿＿＿

「─と言う訳だったんです…」

「桃華ちゃん、とんだ災難だったわねぇ…」

「ごめんね、落としちゃって…。
ビックリしちゃったもんだからさー」

「桃華さんが可哀想です…。ていうか、乱暴狼藉？」

事の顛末を話した桃華に心配そうな顔をして慰める夏美と、
先程落としてしまったことを謝る冬樹。

モアも桃華を慰めて、犯人に対して
顔を顰めて四字熟語を言った。

「でも…どうしてあんなものが仕掛けてあったのかしら…」

「あ、西澤さん！もしかして…。
『クーックックック』って笑い声聞こえなかった？」

「はっ！聞こえました！」

「やっぱりクルルだ！」「やっぱりクルルだぁ…」

夏美と冬樹も察しがついていたのか、
桃華の言葉に確信がつく。

夏美は怒りながら言って、
冬樹は声のトーンを下げて呆れたように言った。

＿＿＿＿＿＿＿＿

一方、日向家のリビングでは、
クルルのせいで大変な事になっている中、

ギロロは地下室で数々の的を銃で撃っており、
特訓をしていたのであろう。

「………フン」

最後の弾で真ん中の的を当てたギロロは、
隣に置いてあった弾が万端の銃を持ち構え、
的めがけて撃とうとした。

しかし、何度引き金を引いても、銃は撃たれない。

「ん…？」

ギロロは不思議そうに銃を見て引き金を引くと、
いきなり銃が光り出した。

「ぬわあぁぁぁっ！！」

光によって反射的に目を瞑ったギロロ。

光るのをやめて、恐る恐る目を開けたギロロが見たのは、
体や銃に可愛らしい花のマークが沢山付いてあったのだ。

そして、彼の兵帽にも1輪の花が咲いていた。

「な、何だぁ！？」