そして、彼は考えるのをやめました。5 (ページ17)

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■Episode212 ページ17

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【クルルクックックッのクッであります】

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［陰湿、陰気…陰性…陰鬱。
それらの言葉はまさにこの男の為にあるような物。

ケロロ小隊不人気ナンバーワン。
それが…クルル曹長その人なのでありました］

「おい、今の紹介もう一度
やり直した方が良いんじゃないかァ？」

ナレーターの言葉が所々気になった点があったのか、
椅子を回転し、振り返って言うクルル。

そして、クルルが座っていた椅子からは
レーザー剣やら掃除機やら出て来た。

［わっ！だ、だって台本にそう書いてあるんだもん！］

ナレーターがそう言うと、
クルルの周りにはレーザー砲などが、
ナレーターに向けられていた。

［わ゛あぁあっ！！だからほら見て！ほら！
『陰湿、陰気…陰性…陰鬱』ってちゃんと！］

「フン、台本にそう書いてある？ああ、そう。
そういうことなら…」

ナレーターが叫びながら本物の台本を
クルルに見せると、面倒臭そうに返事をして、

椅子から降りてピコピコ、と可愛らしい足音を立てて
手を後ろに組んでモニターの近くまで行く。

「ところで、俺たちケロロ小隊だけど、
隊長がああだから、イマイチパーッとしないというか…
面白みが無いよなァ？

だから、今日は俺が面白いモノを見せてやるから、
スカッ！としてくれェ。クーックックックックック」

クルルが見せてくれる“面白いモノ”という物は
一体何なのであろうか。

とてつもなく嫌な予感がするのであった。

＿＿＿＿＿＿＿＿

「冬樹ー。そこにある燃えないゴミー。
外に出しといてー」

「分かったー」

夏美に言われてゴミ袋を持って外へ運ぶ冬樹。

「ん？……何だ？」

冬樹の目の前にあったのは、大きな橙色の樽。

冬樹は不思議そうに見てゴミ袋を置き、
「これゴミ？」と言って樽を見詰める。

「誰だよ、こんなの出したの…」

「グワアァァァッ！！！」

「どわぁーーーっ！？！？」

冬樹がホコリだらけになっていた樽を払っていると、
中から奇妙な怪物が奇声を上げて
ガラス張りされていた窓から顔を見せる。

冬樹はそれを見て裏返った声を上げて驚いていた。

「さー！今日はどんな可愛いキャラが出て来るかなー？」

夏美はコントローラーでゲームの画面のキャラを操作して、
可愛らしいキャラクターを探している。

しかし、周りには夏美が希望していた
可愛らしいキャラクターは出て来ず、
奇妙なキャラクターばかりが出てきたのだった。