そして、彼は考えるのをやめました。5 (ページ15)

今日:14 hit、昨日:2 hit、合計:16,716 hit

Episode210 ページ15

✿

すると、ケロロの後ろから枝で肩を叩かれ、
「ん？」と呟いたケロロは後ろを振り向く。

そこには、先程まで氷の盾にいたドロロが、
ケロロの側で体育座りをして
まだ落ち込んでいる様子であった。

「勝ち抜くんじゃなかったの？」

「ゲロ…」

ねっとりとしており、明らかに静かに怒る
ドロロを見てケロロは図星を突かれたかのように
目を細めても反応をした。

「どうすればいいの？ディフェンスのはずの
ギロロさんは消えちゃうし…。
ていうか、孤軍奮闘？」

ギロロの姿が何処にもない事に不安を募るモア。

そして、ポールがモアの前に立って、
彼女は悲鳴を上げて雪玉を投げていく。

「ご安心ください！
お嬢様方には決して手出しは致しません！」

「当たらない…。ていうか、変幻自在？」

1つの雪玉も当たらないポールに、
息切れをしながらモアはそう言う。

「我々の勝利という事ですなぁ」

「あら？冬樹くんが助けに来てくれる筈では？」

「冬樹様はディフェンスでございますので、
残念ながらこちらには…」

「ええっ！？そんなぁ…。

それじゃあ、後出しじゃんけんで
負けた意味ねーじゃん！ケッ！」

冬樹がフォワードではなく、
ディフェンスだと知った桃華は残念そうな顔をする。

そして、裏桃華が登場して、
自分が後出しをした事をすんなりと認めた。

「とりゃあー！！」

雪に埋もれて隠れていたギロロが顔を出して、
ポール目掛けて雪玉を投げ付ける。

「(目標寸前が最も油断を生じやすい…
良い作戦ですなぁ)」

「………そこだ！」

「うわぁっ！…うずら隠れの術がぁ…」

［小雪、アウト］

ずっと、雪の盾から布を被って身を潜めていた
小雪であったが、ギロロに雪玉を当てられて
とても悔しそうな顔をした。

アウトとなった小雪に、ギララはまた☓印を。

「これで邪魔者は消えた」

ギロロの視線にはポールただ一人。

そんなギロロにポールは不敵に笑うだけであった。

「ふわぁぁ…1セット3分過ぎたんじゃない？
まだ決着つかないの？」

「ちょっと様子見てくる」

欠伸をしながら言う夏美に、様子を見に行く冬樹。

そこには、ギロロとポールがルールそっちのけで、
雪玉を投げ合う姿があった。

「なんてハイレベルな…」

庭だけでなく家全体を使って
雪合戦をしていく2人の姿は、
最早ガチ勢としか言いようがなかった。