そして、彼は考えるのをやめました。5 (ページ13)

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Episode208 ページ13

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ケロロの言葉に自分でもよく分かっていた夏美は、
いじけたような顔でそっぽを向いた。

「「「じゃんけんポンっ！」」」

「ポンっ！あらぁ…残念です…。負けちゃいましたぁ…」

4人が出すグーより少し遅れてチョキを出す桃華は
自分が負けてしまって残念そうにしていた。

残念そうに言うが表情はとても嬉しそう。

そして、完璧な後出しである。

「タイミングがちょっとずれちゃったみたいですから、
もう一度やり直しましょう！」

「これで宜しいのでございます」

小雪がやり直しの言葉を掛けるが
それを遮って続行させるポールに
小雪は少し戸惑ったような表情を見せた。

「ねぇ、特別ルールなんてやめようよ…
私フォワードやりたいのにぃ…」

「ナッチーなら人質の美女を救い出すという
ストーリー性が出てくるので…ピッタリだと思いますぅ！」

「人質の美女…。
まあ、そういうことならしょうがないかぁ…」

タママの言葉に隣にいたギロロは頷いている。

夏美も彼の言葉に反応したのか、
少し頬を赤らめて特別ルールに了承をした。

「(ナッチーのじゃんけんの弱さに
漬け込んだ計画は大成功ですぅ。

紅組の戦力は大幅にダウンですぅ！

しかしまあ…ギララ先輩が戦力外になったのは、
ちょっと痛いですねぇ…。

あの人の雪玉の避け具合…恐ろしいモンですぅ)」

計画的に夏美を戦力外にさせるタママ。流石である。

縛られている夏美から視線を外して
物干し竿に乗って寝転がっているギララを見て
タママは小さく舌打ちをする。

戦力というよりかは、全ての雪玉を避けさせて
相手チームより多い人数にさせようとしたのであろう。

「必ずや夏美さんを守り抜いて見せます！
大切な人質ですからね！」

「(夏美…必ず助け出してやるからな)」

夏美の為に守ろうとする小雪と
助けると誓って燃えているギロロ。

そんなギロロを見てタママは困惑していた。

「お嬢様、暫しのご辛抱でございます」

「(はぁ…冬樹くんが…私の事助けに来てくれるのね…。
よっしゃぁ！白馬の王子様作戦だぜ！)」

こちらも、夏美と同じように縛られる桃華。

彼女の視線には冬樹ただ一人で
冬樹がフォワードを務めると思っていた。

彼女の作戦は果たして成功するのだろうか。

［試合開始！白組はタママとポールがフォワード。
冬樹と小雪がディフェンス。

紅組はケロロとドロロがフォワード。
モアとギロロがディフェンス。

そして…審判はギララ］