Episode176 ページ31
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「…………分からない」
「あははっ…」
何となく予想していたギララの答えに
冬樹と夏美は揃って苦笑いをした。
「でもまぁ、スポーツって言うのは…。
勝つことじゃなくって頑張ることに意味があるんだから」
「……いやいや、それは負け犬の遠吠え。良かった探し。
勝負には勝たなきゃ意味がないのであります」
「洗濯物を干してるお前は侵略者として負けてないのか?」
「いやー、ハハハハハ」
夏美の言葉に反論して、やれやれとでも言うように
腰に手を付きながら首を横に振るケロロ。
しかしギロロに痛いところを突かれたのか、
何とか笑って誤魔化そうとして頭をかいた。
「そういえばアンタ、トイレ掃除サボったでしょ」
「うわっ!?そ、それはぁ…。
後でやろうと思っていたところというか何というか…」
「アタシ、代わりにやっといたからね」
「エ」
夏美から指摘されて冷や汗をかきながら、
こちらも怒られないために誤魔化そうとした。
しかし、思いもよらない夏美の言葉に、
ケロロは素っ頓狂な声を出した。
「ママが来る〜♪ママが来る〜♪」
「ナッチー、変ですぅ」
夏美は嬉しそうに笑って声を弾ませながら
落ち込む冬樹を通り過ぎて部屋へ戻って行った。
何時もと違う夏美にタママも違和感を覚えていた。
「久しぶりだなぁ!フフッ!良いとこ見せなきゃ…」
「……これ程までに
詳しく調べる必要がありそうだな…」
「(幸せそうだな、夏美)」
とても嬉しそうに部屋へ戻った夏美を見て、
ケロロは何やら企んでおり、
ギロロは夏美の喜んでいる姿に
彼も無表情だが少し嬉しそうに思っていた。
「ママが来る…ママが来る…ママが来る…ママが来る…。
へっぽこなとこ見られちゃうなぁ…。
……あっ!そうだ!昔おばあちゃんに教えて貰った…
雨の降るおまじないで!」
________
[テルテル坊主を逆さに吊るせば雨]
冬樹の祖母に教えて貰ったおまじないは
テルテル坊主を逆さに吊る事だそうだ。
しかし…現実は上手くいくはずもなく…。
〈明日の降水確率は0%。絶好の運動会日和となるでしょう〉
[効果まるでなし]
天気予報を見て机に勢い良く倒れ込む冬樹に、
ケロロは「あっ」と咄嗟に呟く。
机にはまだ物足りなかったのか、
テルテル坊主を作っている最中であったか、
定規やハサミが置いてあった。
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パルリーナ(プロフ) - Irobiさん» いえいえ! (2021年7月12日 20時) (レス) id: 9bd1696372 (このIDを非表示/違反報告)
Irobi(プロフ) - パルリーナさん» いつもありがとうございます! (2021年7月12日 7時) (レス) id: 52641999dc (このIDを非表示/違反報告)
パルリーナ(プロフ) - 続編おめでとうございます! (2021年7月12日 5時) (レス) id: 9bd1696372 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Irobi | 作成日時:2021年7月12日 1時