Episode170 ページ25
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「ギロロ!」
夏美は穴に向けてギロロの名前を呼ぶが、
数秒が経って穴は元の床に戻ってしまった。
「これ以上手を焼かせるな」
「「「っ!?」」」
「お前のことは何でも分かる。
何処にも逃げられはせんぞ、桃華」
「お父様…」
夏美達が向かおうとしていたサッカースタジアムへの
道の方から桃華の父が歩いていく。
そんな父の姿を見て桃華は小さくそう言って、
顔を歪ませていた。
「さあ桃華。一緒にスコットランドに行ってもらうぞ」
「お待ち下さい。旦那様といえど…
お嬢様を好きにはさせませんぞ」
夏美達の背後からはポールが歩いてやってくる。
遅くなってしまったのは、追ってきていた
精鋭部隊達を倒していたせいなのだろう。
「フッ…それでこそポール。
だから桃華をお前に任せたのだ。
この闘い…どうやら俺とポールの勝負で決まるようだ」
「お二人共、急いで」
「でも…」
「早くしなさいよ!」
「……っ、分かった」
夏美とポールに言われて、心配しながらも
了承した冬樹は桃華の手を引いて
サッカースタジアムへと走って行った。
「こうしてお前と向き合うと、
ストリートファイトに明け暮れたあの頃を思い出すな」
「そうして私は破れ…貴方様に忠誠を誓った。
しかし、今は桃華様の為に…」
「こい!ポール!」
「覚悟なさいませ!」
桃華の父は構えてポールに合図を送る。
合図を送られたポールは走って
桃華の父と勝負を挑むことになった。
桃華の父とポールが戦おうとする時、
冬樹と桃華は地下室の廊下を走って行く。
「西澤さん、絶対に僕が逃がしてあげるからね」
「(裏の私…こんなときに限って出てこないんだから…。
お父様…ポール…。どうか、私の我儘を許して…)」
________
「さあ、西澤さん。ここまでくれば一安心だよ」
そして、何とかサッカースタジアムに着いた冬樹は
桃華の手を引いて穴から出していく。
しかし、その瞬間。
スタジアムのライトがアップされて、
冬樹と桃華が照らされていく。
すると、2人の前にはポールが立っていた。
「ポール…!」
「お嬢様…申し訳…っ!」
桃華に対して謝ろうとしてポールだったが、
その言葉が途切れて地面に倒れてしまう。
『負けた』ということだろう。
「──ということだ、桃華。勝負は着いた。
さあ、スコットランドに一緒に行くぞ」
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パルリーナ(プロフ) - Irobiさん» いえいえ! (2021年7月12日 20時) (レス) id: 9bd1696372 (このIDを非表示/違反報告)
Irobi(プロフ) - パルリーナさん» いつもありがとうございます! (2021年7月12日 7時) (レス) id: 52641999dc (このIDを非表示/違反報告)
パルリーナ(プロフ) - 続編おめでとうございます! (2021年7月12日 5時) (レス) id: 9bd1696372 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Irobi | 作成日時:2021年7月12日 1時