そして、彼は考えるのをやめました。4 (ページ12)

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Episode157 ページ12

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「ハーッハッハ。現れたな、アンデッド怪人共！」

「おのれ…人間の分際で…かかれぇ！」

「ビィィー！」

「とぅ！」

敵が彼に襲いかかると、556は飛んで、
テレビ型の怪人の顔面を足で踏んで、

もう一人の怪人には足蹴りを喰らわせる。

「ハーッハッハッハッハ」

「ちょ、ちょっと！？
ここはしばらく…怪人と戦う段取りやん…」

「いや、これで良い！」

「へっ！？」

監督の言葉に思っていたのと違っていたのか、
スタッフは驚きの声を上げる。

「良いアドリブだ…その場の流れを読んで、
より魅力的なアクションで繋げる…素晴らしい！

10年…いや100年に1人の逸材だよ！」

中々見ない556の個性に巡り会えた監督は
感動で涙を流していた。

とても楽しそうに撮影をしている556に、
舞台の上から眺める4人の影があった。

「556…今のお前…最高にカッコいい…」

「…楽しそうですね」

「ハハハハハッ！」

「クックックックック…」

上から支柱を持って556の活躍ぶりを見て
しみじみするケロロと楽しそうに見るタママ。

556の表情を楽しそうだと読み取るギララと

ビデオカメラを持ちながら怪しく笑う
クルルの4人がいたのだった。

「ありったけの怪人を出せ！怪人大集結だー！」

「ドゥー！」

「グワァァァッ！」

「ドーウ！」

「グワァッ！」

監督からの指示でどんどん怪人を出していくが、
556の攻撃で殆ど一撃でやられてしまう。

舞台では出された怪人全てが倒れてしまう。

「何か凄いな…」

「ああ…超精神ジャバライザー。
特撮史上に残る大傑作になりそうだぜ」

「良いぞ！556くん！アドリブだ！
アドリブを効かせろ！」

遂にスタッフまでもが感動し始めており、
監督も556のアドリブを要求して、

とても満足そうであった。

「(けど…けど何だ？親友の活躍を喜びたい筈なのに
何故か…胸の奥が凄いモヤモヤした気持ち…)」

「いいな…」

「ハッ…！」

「556さんだけズルいですぅ…」

嫉妬心を露わにしながら豹変するタママに

「やめるであります！タママ二等！」と
ケロロが止めるが、聞く耳持たず、上の柵から顔を出す。

「やだなぁ…軍曹さん。
アドリブオッケーって言ってるでしょ？

ボクも556さんの活躍をアドリブで“助ける”だけですぅ」

「っ！

(そ、そうか…アドリブ！

もっとぶっ飛んだアドリブで556の活躍を
盛り上げるのも…あーりかー？)」