第７話 ページ10
ーー
美桜「んー！空気が澱んでるねえ。これどうしたらいいんだろ？」
長谷部「おい。」
刀を向け睨む長谷部。
その目はさっきと違う。自我を持っていないというか。
美桜「わぁ！本気の目じゃないけどいいね！」
周りに怪我だらけの刀達が集まって来た。
見学かな？
・・
巨躯「体貸せ。」
美桜「……っ！」
やばい、体勝ってに使われてる……！ちょっとこれはやばい。
勝手に体使うなって…
巨躯「チッ……意思が強すぎんだよ。」
美桜「はぁ……ちょっと待って……」
長谷部「……なぜ此処に来た。」
美桜「……えーっと本丸内の把握。逃げ場の把握だ。」
長谷部「……付き合ってられんな。」
美桜「え、あ……はは。」
・
・
ーー？？部屋前
美桜「広い部屋……この場合は粟田口部屋？」
でも、空部屋の可能性もある。
でもなぁ……。
ああ、羨ましい。此処だと戦いも少なそう。
一期「何か用でしょうか？」
美桜「貴方、一期さん？」
一期「弟達の用ですか？」
刀を抜き目の前に突きつける。
この人間は、この本丸を我が物にしようとしてる。
審神者が言うなら間違いない。その前に始末しなければ。
美桜「さっすが兄。」
一期「ふざけるのもいい加減にしてください！」
美桜「ふざけてない。だって今迷子。」
一期「……あまりで歩かれては困ります。良いですね。」
女の首に刀を強く当てる。
その綺麗な首筋から血が垂れる。
美桜「……ああ、よかった。」
一期「？」
女とは思えない低く、聞きたくもないくらいの声。
そして、ゆっくりと振り返る。
その顔は、とても嬉しそうで残念そうだった。
美桜「これで自由に手出し可能だ。感謝するよ。」
さて、うまく立て直さないといよいよ手遅れだ。
仮面「このまま、やられるつもりか？」
アイツの声が頭に響いたような感じがした。
美桜「絶対、こちらが勝つ。」
ふと目を上げると再び人。
矢張り、歓迎はされていないようだった。
こんな時、どうしたら。私は他の人と違って優しくは対応できない。
鶴丸「驚いたか？」
美桜「驚きませんけれど……というかお怪我酷い。」
鶴丸「触るな。」
ぱしっ
怪我を確認しようと、こちらに手を伸ばした
美桜「ッ……！」
鶴丸「え…」
驚き小さく跳ねた彼女の頬が少し見えた。
額には小さなツノ。それに、少し触れた時に感じた暖かいもの
美桜「…今の、見た？」
鶴丸「あ、ああ。」
これこそ、本当の驚きってやつか。
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作者名：黄泉 | 作成日時：2018年12月23日 19時
