第１１２話 ページ20
ーー
中島「……太宰さん、なんで僕まで_」
太宰「何でって、気まずいからね。」
真冬「あ、治！」
太宰「真冬……」
病院から元気よく出てきた。
目も合わせられない。
あの子の友人に迄酷い事を言ってしまった。
真冬「どうしたん？元気ないね？」
中島「退院おめでとう御座います。」
真冬「ありがと、敦君。」
中島「あ、あのお怪我の方は……」
真冬「心配の必要ないよ。」
太宰「わざわざありがとう、敦君。ここからは２人で帰るから。」
中島「あ、はい！」
太宰さんの今の笑み…なんだか怖かった。
２人の仲が悪くなってるのかな……？
考えすぎだといいんだけど。
真冬「２人……で？」
中島「では、真冬さんまた明日！」
真冬「……治？」
無言で手を差し伸ばされても分かりません←
太宰「私と手を繋ぐのが嫌かい？」
真冬「い、嫌じゃない…けど。」
太宰「…ドストエフスキーの件を今掘り起こすのは可笑しいと思うんだけどね？」
真冬「それは、ごめんって」
太宰「………。」
反省してるのか。
ならいいか…。
真冬「手、繋ぐのは初めて…」
太宰「そうだね。」
真冬「(あ、やばいめっちゃ怖い)」
太宰「今日は私が料理をしてみたんだ。楽しみにしてくれ給え」
真冬「わぁ、嬉しいわ！」
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真冬「カレーライス？」
太宰「いい匂いだろう？」
真冬「……でもなんで料理なんて」
太宰「そうでもしないと君は私を見てくれないだろうと思って。」
真冬「そんなことしなくたって__」
太宰「いいや、違うね。真冬は本当に私を見てない。」
真冬「……治…？」
太宰「まぁ半分冗談なんだけどね」
真冬「ふざけんな。」
太宰「……じゃあどうすれば、見てもらえる？」
真冬「別に。今はもう治しかいないからね。」
太宰「そう。なら私は安心できるね。」
真冬「いただきまーす」
お、このカレー意外といけるぞ…！
たまには治の料理もいいな。
太宰「……それで、そんなに会いたくなかったの？」
真冬「ふぇ」
太宰「だから。面会しようと思ったらはねられたんだけど。」
真冬「気が進まなくてね。」
太宰「へぇ、だから来華だけなんだな。」
真冬「うん」
太宰「……ふぅん。」
真冬「治、おかわり」
太宰「お、良い子だね。」
初めてカレー(レシピ通りに)作ってはみたけど、喜んでもらえるんだ。
なんだか、こういうのはいいな。
真冬「心配してくれて有難う、大好きだよっ！」
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作者名：黄泉 | 作成日時：2018年10月11日 18時
