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それは、突然やってきた。
?「おい、」
昼下がりの街中を、いつものように古着で別段目立つわけでもなく歩いとった時。
後ろから、誰かに手を掴まれる。
貴「え、?」
慌てて振り向くと、そこには、何年かぶりに見る父親の姿があった。
貴「な、に…………、やだ、離して!」
父「ちょっと来い」
離して、と言って振りほどこうとしても大人の男の力に敵うはずもなく、引っ張られていく。
脳裏に浮かぶのは、6年前のあのこと。
あぁ、どうしてあの時付いてっちゃったんかなぁ。
もしあそこで断ってたらどんな人生だったんやろ。
考えても考えても答えの出ないことばかりぐるぐると回り、父親への抵抗も疲れてできなくなる。
どうせ、家に連れ帰られて警察にでも突き出されるんやろと思っとった。
しかし。
父「ほら、入れや」
そこは、家でも警察署でもなくて、6年前私が逃げた風俗店。
貴「…………やだ、なに、なんなん、なんの用があって来てん………!」
父「物分かりの悪い娘やな。俺の借金お前の体で返せっちゅうことや」
この店が評判悪いのは有名やった。
「……………嫌や!なんであんたの借金うちが返さなあかんの!?もううちあんたと縁切ってんねん!近寄らんといて!」
早くこの場から逃げるべきやと、全身が訴えていた。
逃げて、早く家に帰って、ヤマさんに、シゲにでも相談すべきやって思った。
父の手を振り払って逃げようとした時、店の中から男たちが出て来て、行く手を阻む。
貴「嫌!やめて!離して!ヤマさん!!!!!助けて、誰か助けて!!!!!………………シゲっ、………!」
そのままうちはお腹を一発殴られて気を失った。
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姫タンポ(プロフ) - Acid Black Cherryみたいですね!w (2017年12月7日 10時) (レス) id: 9c5bca0170 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ももかんぬ | 作成日時:2017年12月5日 18時