ノクターン

#7 ページ7

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貴「おっはよう」



いつもの朝。いつもの学校。いつもの景色。



彩奈「おはよう。なんかあった？」




小さな変化にも気づく友人は性格からか、長年一緒にいるからか、わからない。




貴「昨日、病院で素敵な人に会ったんです♡」





彩奈「素敵な人？なに、恋の予感？」




いや、なんか、意味を履き違えてる？

素敵な人ってそういう意味で言ったんではなくて。




貴「いや、人間的に？」




彩奈「なーんだ、そうよね、君に春が訪れるとはあまり思えない」




彩奈の返しになんだ、それ、と思いながら返事をするのも面倒でふーんと適当に返して授業の準備をした。




早く病院行きたいなーなんて思いながら。




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授業が終わってすぐにやってきた病院。今日は気を利かせてプリンなんかを買ってきた。


……焼きプリン。わたしが好きなやつ。





コンビニの袋をぶら下げながら昨日と同じ、5階の一番奥のドリンクコーナーあたりをうろつく。




ちょっと早かったかな、とスマホを取り出そうとすると、






緑「Aちゃん！」




と、後ろからまだ耳慣れない声で呼ばれるわたしの名前が聞こえた。




貴「ともさん！こんにちは」





緑「こんにちは、Aちゃん。ともさんなんてやめてや(笑)年ほぼ変わらへんから呼び捨てとかにしてや(笑)なんや、恥ずかしいわ」





顔をほんのり赤くして言う。





貴「じゃあ、……と、も…」




緑「おん！」





貴「わたしも、Aって、呼び捨てで呼んでください！」




わたしだけは少し気恥ずかしい。





緑「おん！あと敬語も禁止な！」





と、ともはいたずらっ子みたいな笑顔をみせた。









貴「プリン、買ってきたんだけど……」



そういえば、と思い出して遠慮がちに袋を差し出す。





緑「ほんま！？俺めっちゃ好きやねん！」





と、目をキラキラさせた。




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