ノクターン

#4 ページ4

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病院に来てみたはいいものの。





いや、待て。神山先輩だぞ？先輩だぞ？しかも仲良いわけでもなんでもないしっていうか初対面だし。




そんな関係性なのにひょっこり病室に現れて、先輩っ！とか言えるか？







何やってんだわたし、とはぁとため息を吐いてドリンクコーナーに向かおうとしたとき。






緑「あの、」






わたしだろうか、わたしじゃない気もする。でもわたしだったら。


髪の毛にゴミが付いたふりをして振り返ってみればいいや、と振り返ると




緑「よかった、気づいてくれはって。西高の方ですよね？」





綺麗なシルバーの髪をしたイケメンが車椅子に乗ってにっこり笑っていた。


ふんわりした関西弁が印象的だった。





貴「あ、はい」






緑「あの、よかったらお茶でもしません？……よかったらですけど」






少し寂しげな彼の目を振り払うことができなかった。





貴「いいですよ！……よかったら、車椅子押しましょうか？」





断られるかと思ったけど、彼はすまんなぁ、ほな頼むわぁと言って笑顔を見せた。






ドリンクコーナーに着くと、彼はミルクティーを買ってくれた。彼自身には、振ってゼリーにするぶどう味の飲み物。





緑「……ごめん、これ、開けてくれへん？」



わたしが缶のプルタブをぷしゅ、と開けたと同時に彼が申し訳なさそうに缶を差し出す。




貴「あ、はい、」



ぷしゅ、と開けてどうぞ、と心持ち笑顔三割り増しにして渡した。



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