無理しないで KH ページ23
はぁ〜…
疲れた…
頭を掻きむしりながら
覚束ない足取りで歩く
今日は朝から衣装合わせ
その数が多すぎて…笑
午後で終わると思ったら夕方までかかるとか
あのサビの前の振り付け…
午後からたくさん練習しようと思ってたのに笑
夕方かよ。
いつもの練習室に着く
ん、あれ？
ドアを開けようとするが
あかない
鍵かかってんのか？
誰だよ〜鍵しめたの〜
仕方なく隣の練習室に入る
ガチャッ
あれ…
開けた瞬間全身に感じる熱気…
誰かいるのか…？
恐る恐る入っていくと
ポールダンス用のポールがたてられていた
もしかして…
視線を下に移すと
ポールのすぐ横で項垂れてるAがいた
後ろ姿でもわかるほどぐったりしてて
生きてる感じがしないようにみえた…
鏡を見ると 涙を流していた
…！！！
俺は咄嗟に近くにより、しゃがんでAを覗き込んだ
KH 「どうしたんですか…A？大丈夫ですか？…って大丈夫じゃないから泣いてるのか…」
あぁ〜…こういう時何て言ってあげたらいいのかわからない…
ダメだな…俺…
すると俺に気づいてなかったのか生き返ったように顔を見あげる
A 「オッ…オッパ？？！！」
見開いた目は充血していて、涙は止まりそうになくて…
KH 「大丈夫？…」
ホント…だめだな俺…
その弱々しいAなんてみたことなくて…
その理由が知りたかった
涙を流している理由が知りたかった
A 「…大丈夫ですよ！心配かけてすみません…ただダンスが思うようにできなくて…笑落ち込んでただけです！…んじゃ…私もういきますね」
するとAは立ち上がった
なんで…
その作り笑い…バレてないとでも思ってるの？
何でちゃんと話してくれないの…
気づいたら俺はAの腕をつかんでいた
KH 「無理するなよ…バレてないとでも思ってるんですか？何で正直に言ってくれないんです？また同じことの繰り返しですよ？」
…
言う必要のないことまでいっちゃったよ…
俺…ホントにダメなやつだな…
Aの目をみてられなくて目を逸らす
最後に見えたAは精一杯に目を見開いて俺をみていた
ごめん……
そう口にしようとした時
A 「オッパ………ん…ぐっ…」
Aはそう言ってへたり込んで嗚咽した
…
俺は抱きしめて背中をさすることしかできなかった
Aは不安気に俺の練習着を掴みながら
ただ涙を流し続けた
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作者名：りんみな | 作成日時：2014年9月22日 3時
