【第五人格】絵描きは占い師を描きたい！【イライ・クラーク】 (ページ7)

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▽気にしないでページ7

真っ白なキャンバスに、見たことのある空想の世界を描いていく。

死後の銀河が広がる美しい世界を、残しておきたかった。

光る龍が飛び、ふわふわとした妖精が飛ぶ死後の世界。

俺は前世でも好きだった絵を描くことにして、

ただ筆とペンを持ち、眼に映る全て、
或いは映ることのない世界を見て描いた。

両親に迷惑をかけないように、

生前散々勉強した意味もないような文字を並べる宿題も、

平均以上の点数をとって普通に生きた。

絵の賞を取った時、両親は泣いて喜んでくれて、

なんだかすごく誇らしいって思った。

両親はほんと、とてつもなく優しくて、暖かくて、

落ち込んでいる時も支えてくれていたし、

俺が絵を描くことだって許してくれて、自由にいさせてくれた。

優しい家庭に生まれたことを幸せだと思っている。

でも絵の才能もあって、成績もそれなりにあって、

普通の人とは違う大人びた価値観を持っていた俺は、
周りから軽蔑されてしまった。

まだまだ子供だから、きっと仕方ないと思っていたのに、

それが高校になっても続くもんだから吐き気がした。

こいつらは学校はなんの為に行ってるんだ？

馬鹿丸出しで大人げもなく喚いて、恥ずかしくなってくる。

そんなこと、口に出さないだけ良いと思って欲しい。

石を投げられ、作った絵を引き裂かれ、

殴られ蹴られのくだらない学校生活を送っている。

親には学校に行かなくてもいいんだって言ってくれたけど、

それでも、負けたくないからただ学校に行った。

両親に恵まれても周りには恵まれなかったんだろう。

今日もまた、大人になれない子供達と、

そうやって生きていく。