【第五人格】絵描きは占い師を描きたい！【イライ・クラーク】

▽来世は楽しく生きよう ページ6

「貴方、ほら抱いてあげて」

「あぁ…頑張ったな！
二人とも無事でよかった！」


眩しい真っ白な光と、優しい温かさに包まれて、何度も眼を閉じて開いた。

ゆるい笑みを浮かべる幸せそうな男女二人は俺を見ている。


「見て、きょとんとしてる顔
貴方の顔にそっくりだわ」


女性は笑い、俺の頬を撫でて、

男性は、ずっと優しく俺を抱き上げてくれている。

まだ声も出せない。歯もない。


でも、この温もりと、優しさが懐かしくて、

頬が緩んで笑ってしまった。


「笑った！笑ったよ！」

「えぇ、笑ったわ！」


優しい両親の間、俺は産まれた。









「Aおいで！」

『…あ…あぅ』

「頑張れほら、こっちだ！」


まだ小さい体で、ふらつく足で、大好きな両親にゆっくりと歩いて近付く。

でも目の前でどたっと転んでしまった。


「あぁ〜…惜しかったな！
でもよく頑張ったぞ！」


父は明るく、真っ直ぐな人だ。


「顔怪我してない？
大丈夫かしら…」


母は優しく、暖かな人だ。


前世とは違う温度のある家庭。

俺は、それだけでただ幸せだった。


家族の温もりを感じれる。

それがどれだけ恵まれているかやっと気付けた。

死んだ、後気付くってのもアレかもしれないけど。

▽気にしないで→←▽罪の重さ

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