▽君に笑顔 ページ46
「何で私が出てきたか気付いた？」
小さな私は、ただ黒い目で俺を見る。
無表情で、真っ暗だけど、その顔が腹立ってきた。
『…忘れたかったよ、できれば
あんたのことなんて一生忘れて死にたかった』
「嫌だよ、だって君は自分が嫌いだからって
傷を覆って自然消滅まで放っておくだろう？」
『黙っていれば、隠していれば誰にもわからない
だから何気ないままに生きようとしてるだろう』
「そうだね、君が耐えれば終わることだ
それで身を滅ぼしたらどうする？自分勝手にもほどがある」
頬に小さな体温が触れる。
幼い私が見ている。
その気持ちはずっと俺が嘘をついていた心だ。
「本当は甘えたいんでしょう？」
幼い私が、ただ聞いてきた。
昔から愛されたことがなくて、いつもいつも誰かを疑った。
優しくされてもそれが偽善に見えて、自分が嫌になった。
その度、何度も自分を嫌って、怖く辛くなっていた。
「いいんだよ、痛いなら痛いと言って
苦しいのなら苦しいと言って
泣き喚いたって何も悪いことじゃない
だから助けを求めていいの
恥ずかしいことなんて一つもないんだから」
下手くそに微笑む私をただ見つめる。
その笑顔が、視界を歪めていく。
だから泣くつもりは一つもなかったのに、
いつもこう変な時に泣きそうになる。
目元を抑えて、涙を流して、小さな私を抱きしめた。
「あなたを忘れないであげて
あなたと生きたわたしを忘れないで
だいじょうぶ、あなたはとっても強いから
誰かを頼ってちゃんとしあわせになって」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 109人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蛞蝓。(プロフ) - 白黒さん» いいえ、大丈夫ですよ^^ (2019年1月3日 19時) (
レス) id: b2945d23b4 (このIDを非表示/違反報告)
白黒(プロフ) - 蛞蝓。さん» あれ……送れてませんでしたかねすみません！m(_ _)m (2019年1月3日 18時) (レス) id: 9362122ae5 (このIDを非表示/違反報告)
蛞蝓。(プロフ) - 白黒さん» 来てなかったのでこっちから送らせてもらいました…あってますかね？ (2019年1月3日 18時) (レス) id: b2945d23b4 (このIDを非表示/違反報告)
白黒(プロフ) - 蛞蝓。さん» 一応申請されてもらいましたりゅー114514ですクズとでも呼んでください((((( (2019年1月2日 21時) (レス) id: 9362122ae5 (このIDを非表示/違反報告)
白黒(プロフ) - 蛞蝓。さん» ありがとうございます！ (2019年1月2日 21時) (レス) id: 9362122ae5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蛞蝓。 | 作成日時：2018年12月19日 15時
