【第五人格】絵描きは占い師を描きたい！【イライ・クラーク】 (ページ43)

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▽幼い君を抱えてページ43

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「これは一体どういうことですかハスター様！」

「ふむ、まさかこんなことになってしまうとはな…」

ベッドに座り込む小さな少女は、

普段より大きく見える二人が言い合う姿をじっとみている。

「前の回くらいはすごくシリアスだったのに、
何で急にこんなことになったのか聞いているのです！」

「急にメタいことを言うな、イライよ」

ぬめりと光沢のある触手を揺らし、

ハスターと呼ばれた軟体動物に似た者。

目元を隠し、肩にフクロウを乗せる、

イライと呼ばれた人間。

少女はその二人を見つめ、何をいうこともなくただ見ている。

動くこともなく、他人事のような冷たい瞳で、

誰かをその目に重ねながら、子供の目とは言えない眼で。

「とにかく、こやつをどうにかせねばな」

手を伸ばされれば少女は強く目を閉じ、口元をキュッと結んだ。

ぎりっとした音と共に強く握られた両手。

肩をあげ、あからさまに体に力を入れて、何かに耐えようとする様。

それが一体何を意味するのか、一人理解したイライは手を伸ばし、

強張る少女の頬に触れて、優しげな笑みを浮かべた。

「殴ったりしませんよ、安心してください」

暖かく、優しい手に触れられた。

その時の少女にとって、初めてで不思議なこと。

少女はその手を伸ばして、イライの真っ青な服に抱きついた。

真っ白で柔らかい頬と艶めかしい黒髪。

何より、きらきらと光の当たり具合で輝く、

真っ黒な銀河のような大きな瞳は、

それを異世界のものと思わせる後ほどの愛らしさと美しさを醸し出していた。

声ひとつ、発さない少女だったが、

イライの服に引っ付いたまま離れようとしない。

「仕方ない…このまま皆に報告しなければな」

「…そうですね」

少女を優しく抱きかかえれば、

ハスターはハンターやサバイバーを集めて、

イライはしばらく少女をあやしていた。