検索窓
今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:92,516 hit

▽人の不幸は蜜の味 ページ40

「…やっぱりそうなりますよね」

『まぁ仕方ない、俺は小さいですし』


やっぱり肩は出ているわけだが、

まぁ、上着を羽織ったらなんも関係なくなるだろう。


「とりあえず、お貸し致しますね
いつお返ししてもらっても構わないので」

『家宝にしたい…』

「なんでですか!?」

『冗談です』


ぽすっと適当にベッドに座れば、

近くの止まり木に止まるフクロウを撫でてやる。

相変わらずふわふわで、多分しっかりとした体型。

お世話がちゃんと出来る飼い主でよかったと心底思う。


「…Aさんは動物がお好きなんですか?」

『いいえ、自分より小さい生き物は無理です
どう力加減してやればいいかわからない』


触れるこの手が、適切な力加減かどうかさえ、俺には理解できない。

だからこそ、小さい生き物は怖い。

触れる全てが、小さな命に触ることが、辛い。


もしとても痛めつけていたら?

もしとても苦しめていたら?


そんな不安ばかりよぎって、触れることが嫌だ。


『痛みを理解しているからこそ、それを与えたくない
そんな俺を親以外、皆、弱虫と言いました 何もできない臆病者と

気にするな、なんて誰かは言うのでしょう
もしくはお前はお前なんだから好きに生きろとも言う

でも俺にとってそれは、ただの無責任な言葉だ
周りと程々の距離を取らなければ上手くも生きていけないのに

自分のやりたいことを、好きに生きて
自分の首を絞めてそれが幸せなのでしょうか

結局、人は私を理解する気は微塵もないのでしょう
だって自分には影響しない、誰かの苦しみ

いくら苦しもうと、痛みを感じようと
他人の叫びは、嘆きは、誰かにとって蜜なのだから』


触れたフクロウから手を離し、顔を下に向けて、

顔を隠すようにフードを被った。

その目から、涙が溢れそうになるのは意外と早い。

▽死んだ私はどこだろう→←▽お呼ばれして



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
109人がお気に入り
設定タグ:第五人格 , IdentityV , 占い師
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

蛞蝓。(プロフ) - 白黒さん» いいえ、大丈夫ですよ^^ (2019年1月3日 19時) (レス) id: b2945d23b4 (このIDを非表示/違反報告)
白黒(プロフ) - 蛞蝓。さん» あれ……送れてませんでしたかねすみません!m(_ _)m (2019年1月3日 18時) (レス) id: 9362122ae5 (このIDを非表示/違反報告)
蛞蝓。(プロフ) - 白黒さん» 来てなかったのでこっちから送らせてもらいました…あってますかね? (2019年1月3日 18時) (レス) id: b2945d23b4 (このIDを非表示/違反報告)
白黒(プロフ) - 蛞蝓。さん» 一応申請されてもらいましたりゅー114514ですクズとでも呼んでください((((( (2019年1月2日 21時) (レス) id: 9362122ae5 (このIDを非表示/違反報告)
白黒(プロフ) - 蛞蝓。さん» ありがとうございます! (2019年1月2日 21時) (レス) id: 9362122ae5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:蛞蝓。 | 作成日時:2018年12月19日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。