▽照れる君、甘い感覚 ページ35
「っ…そうですか」
ふいっと目を逸らされ、少し失礼なことを言ったのかと、目と伏せる。
ちらりと首の角度は変えず目だけを動かし、イライくんの顔色を見てみると、
白い肌にひかれた淡い赤が見えた。
照れている…照れてくれる。
なんだろう、特別な君を見たせいだろうか。
ぶわあぁっと甘い感情が溢れ出す。
好き、すき、スキ。
筆についた絵の具をタオルで拭く時みたいな、じんわりと染み込む感情。
赤というより、淡い桃色に近い色のインクが、
真っ白な俺の心に吸い込まれていくんだ。
「その…見つめるのを、少しやめていただいても…?」
『あッ、ごめんなさい!』
「…いえ悪いわけではなくて…えっと…
そんな可愛い顔されると少し、困るというか…熱が引かないというか」
ここのイライくんは天然なのか、何もわからないけれど、
多分素でこれを言っているのだろう。
だからこそ、タチが悪いったらありゃしない。
違うんだ、照れるつもりは一つもなかったのに。
いつもだったら、うまく隠せるはずなのに。
顔に熱が集中する。
こちらに顔を合わせるイライくんを見ていると余計に顔が熱い。
「…顔赤いですよ」
『……君のせいだ』
お互いに顔の熱が引いてからは、
夜が深まり、食事に呼ばれる時間まで、
ただ何気ない会話を広げていった。
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蛞蝓。(プロフ) - 白黒さん» いいえ、大丈夫ですよ^^ (2019年1月3日 19時) (レス) id: b2945d23b4 (このIDを非表示/違反報告)
白黒(プロフ) - 蛞蝓。さん» あれ……送れてませんでしたかねすみません!m(_ _)m (2019年1月3日 18時) (レス) id: 9362122ae5 (このIDを非表示/違反報告)
蛞蝓。(プロフ) - 白黒さん» 来てなかったのでこっちから送らせてもらいました…あってますかね? (2019年1月3日 18時) (レス) id: b2945d23b4 (このIDを非表示/違反報告)
白黒(プロフ) - 蛞蝓。さん» 一応申請されてもらいましたりゅー114514ですクズとでも呼んでください((((( (2019年1月2日 21時) (レス) id: 9362122ae5 (このIDを非表示/違反報告)
白黒(プロフ) - 蛞蝓。さん» ありがとうございます! (2019年1月2日 21時) (レス) id: 9362122ae5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蛞蝓。 | 作成日時:2018年12月19日 15時