【第五人格】絵描きは占い師を描きたい！【イライ・クラーク】 (ページ27)

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▽ふくろうとお散歩ページ27

『ちょっとそこらあたり散歩してくるよ』

「え！怪我してるのにですか！？」

服を着れば、座っていたベッドから起き上がり、

少し背伸びをして、ドアに向かえば、

幸運児に止められた。

『少年…俺の体を見てみろ
ここに来た時からもう既にボロ雑巾だぞ？』

「あ…」

『怪我してるとか、してないとか関係ない
俺は元からそういうものなんだ、だから怪我したとしてもそんな気にしないで』

けらけらと笑えば、幸運児は少し、気まずそうな顔をした。

なんでそんな顔するのかね、少し悲しくなってくるよ。

「出来れば、もっと自分を労って…」

『してるつもりだよ
でもうまくいかないんだなんでだろうね』

そうして、ドアを開き外へと歩き出した。

『…外には出たが、特に何にもないなぁ』

陽のあたる芝生に座り込み、寝転がった。

この世界はもっと暗くて憂鬱だと思っていたけれど、

思っていたよりかは明るい。

もちろん、ここにいる人たちがなんらかの闇を持っているのもわかってる。

なんなら俺だって、前世の記憶があって、現世ではいじめられていた。

そんな理由で来たのか、なんてここの人は怒りそうだが。

俺にとっては"そんな理由"で済ませれない事情が溢れてる。

晴天とは言えない曇りがかった空。

それを見ていれば、ふと隣で翼をはためかせるの音がした。

見てみれば、そこにいたのはイライくんのフクロウ。

右目を閉じ、左の青い目で俺を見つめている姿は、

なんとも言えない可愛さがある。

『おいで』

片手をフクロウの前に差し出すと、お利口に手の上に乗ってくる。

しかし、やっぱり重たいな。これだけの大きさになると。

でも爪とかは刺さってこないし、突っついてきたりもしない。

『仕付けもお世話もちゃんとされてて、
大切にされてるんだね…良い飼い主さんだ』

フクロウに微笑みかけると、

嬉しそうにフクロウは目を細め、頬を摺り寄せてきた。

『そうだ、散歩でもしようと思うんだけど君もどうかな？』

寝転がった姿から起き上がり、

フクロウに語りかけると、理解したのか頭の上に乗っかった。

そんなわけで、散歩してきます。