【第五人格】絵描きは占い師を描きたい！【イライ・クラーク】 (ページ3)

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▽死んでよかったページ3

「さて、家族を見て回りましたが、どうでしたか？
もっと他にも回れますが…」

死神は船を漕ぐことをやめて、こちらを振り向いた。

手を握りしめ、できる限りの笑顔を返す。

『いいです、俺には友達がいないからもう見る人もいない
よかった、家族が、俺が死んだこと気にしてなくて

俺、大切にされてませんでした
だから、死んでよかったです』

死神の骨だけの手を手にとって、

額を当て、その目からただ涙を流すしかできなかったが、

それでも笑って、ただお礼をこぼした。

『見せてくれて、ありがとうございました』

歪な笑みを浮かべて、ただ笑いかけて。

見せてくれた現実を受け入れて。

死神は船を漕ぎ、

夜空に浮かぶ空中都市のような世界に送ってくれた。

「あぁ、そうだ
貴方にこれをあげます」

船から降りると、死神が黄色い切符のようなものを渡してきた。

そこには少し歪だけれど"自 ( )殺者専用転生先切符"と書いてあるのが読めた。

裏を見ると書いてあるのは…"行き先 IdentityV.第五人格"とある。

『…これは？』

「自 ( )殺者専用の転生先切符です
貴方が生前好きだった世界へ行くことができる特別な切符でして

あぁ、もちろん行きなく無いのなら
普通の転生場に行っても問題ないですよ」

『……行っていいんですか？』

「何故私に聞くのです？
今の貴方はもう自由だ、自分で決めれますよ」

死神は笑っている。

その黄色い切符を手にして、ただ頬を緩め目を輝かせて、

大きくお辞儀した。

『ありがとうございます！』

「…いえいえ、
次はもっと遠い日に会えることを待っていますよ」

ただその黄色い切符を手にして、走り出す。

少し後ろを振り返れば死神は笑顔で手を振ってくれた。

「良き来世を!」

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