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▽イライくん ページ16

『すみません、いらっしゃいますか?』


三回ノック、同じ音程とタイミングで。

手に持つ、ふくろうの折り紙を落としてしまわないように、

ちゃんと安定するようにバランスを取らせていれば、目の前の扉が開いた。


目元を隠し、フクロウを肩に乗せる、

素顔は陰キャだとかなんだとか言われてた人。

つーかイライくんが陰キャってどういうことだこら。

お前らの目は節穴かよ(やめれ)。


「なんでしょうか」


携帯の画面越しに聞いた、低めの声。

そして何より敬語とは…驚きだ。

てっきりハスター以外タメなのかと思ってた。


『隣に来た新しいサバイバー、絵描きです
適当に霧雨とでもAとでも呼んどいてください』

「…御用件は?」

『ただの挨拶ですよ、他者とのコミュニケーションは大切ですから
あぁそうだ、つまらない手土産のようなものですが良ければどうぞ』


そうして、手元にある夜空色のふくろうの折り紙を、

イライくんの目の前に差し出す。

翼を広げているふくろうなのでバランスが難しい。


『エマさんからフクロウがいるとお話を聞いたものですから、
お気に召さなければ俺が持って帰ります』

「これも何かの縁です
一応は頂いておきますね」


手から、ふくろうが消える。

それと同時に人の温もりも感じた。

イライくんに触れたって認識するとちょっとニヤニヤしそうになるが、

頑張って我慢しよう。


『時間があればもっと綺麗に折れたのですが、
流石に夜分遅いですし、軽く出来るもので作っていました

ただ俺の絵を折り紙として折っただけです
素人の絵と折り紙ですので…』

「そうでしょうか?それにしては綺麗です
僕は気に入りましたが…貴方は目標が高いのですね」


にこりと微笑むイライくんの顔に、

心臓が破裂するかと思うくらい高鳴った。


あぁ、やっぱり。

前の世界で散々イライくんを使っていたが、

本当に、とても好きだ。


好きすぎて語彙力が低下してしまいそうなくらい、

それくらい、好きで好きで仕方がない。


『有り難く、俺には勿体ない言葉です
ありがとうございます』


頭を下げ、ただ好きという気持ちを飲み込んだ。

急に好きだなんて伝えられたところで混乱するだけだろう。

じっと待って、距離を縮めていこう。









嗚呼…!

君がとても好きだ!



.

▽集中しすぎる→←▽フィオナ姉貴



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蛞蝓。(プロフ) - 白黒さん» いいえ、大丈夫ですよ^^ (2019年1月3日 19時) (レス) id: b2945d23b4 (このIDを非表示/違反報告)
白黒(プロフ) - 蛞蝓。さん» あれ……送れてませんでしたかねすみません!m(_ _)m (2019年1月3日 18時) (レス) id: 9362122ae5 (このIDを非表示/違反報告)
蛞蝓。(プロフ) - 白黒さん» 来てなかったのでこっちから送らせてもらいました…あってますかね? (2019年1月3日 18時) (レス) id: b2945d23b4 (このIDを非表示/違反報告)
白黒(プロフ) - 蛞蝓。さん» 一応申請されてもらいましたりゅー114514ですクズとでも呼んでください((((( (2019年1月2日 21時) (レス) id: 9362122ae5 (このIDを非表示/違反報告)
白黒(プロフ) - 蛞蝓。さん» ありがとうございます! (2019年1月2日 21時) (レス) id: 9362122ae5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蛞蝓。 | 作成日時:2018年12月19日 15時

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