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集団胃腸炎【44】 ページ6

荒北side



これはまた胃腸炎の奴増えたか?


葦木場に肩を貸しながらゆっくり歩き出す。


ったく4人目かよ...


葦『っ...ハアッ...ハアッ...』


荒『大丈夫か?あと少しで保健室だから。』


なんとか保健室に到着する。


ガラッと扉を開けて中に入る。


荒『失礼しまーす。』


先『あらどうしたの?』


荒『葦木場が調子悪くて連れてきました。多分戻しちゃったんで胃腸炎だと思います。今自転車部の寮生の中で流行ってます。』


先『あらまっ...流行ってるのね。とりあえずここに座ろうか。』


葦木場をソファに座らせる。


葦『ハアッハアッ...ハアッ...』


ソファに座りぐったりとする姿を見て可哀想だと同情する。


荒『マジで流行りすぎでもう4人目です。』


先『そうなの?自転車部?』


荒『はい、自転車部で4人目です。まあ1人はもう治ってるみたいですけど。』


先『まあ...そしたらでも4人目じゃなくて5人目ね。』


荒『え?』


先『そこにも1人寝てるの。』


先生がしまっているカーテンのベッドを指差す。


荒『誰ですか?』


先『真波君よ。』


荒『マジすか。』


葦『...ハアッ...気持ち...ッ...悪い...』


先生と話していると座っていた葦木場が急に口元に手を当てる。


先『ちょっと待ってね!』


先生がすぐに袋を広げる。


葦『ハアッ...ハアッ...っ...』


先『大丈夫よ。出しちゃいなさい。』


荒『無理すんな。』


俺もすぐ隣つき背中をさする。


少しして背中が波立つ。


葦『ハアッ...ッハアッ...ッウ!...ゲエーッ...パシャパシャッ...ヒック』


袋に嘔吐物がパシャパシャと落ちる。


何度か戻したら落ち着いたようだ。


吐き疲れたのかぐったりとソファにもたれ掛かる。


目がトロンとしている。


荒『疲れただろ?ベッドで寝かせてもらえ。』


先生が開きベッドに毛布を用意してくれて、そこに横になる葦木場。


葦『...ハアッ...迷惑かけて...ハアッ...すみません...ヒック』


また泣き出す。


荒『んなこと気にしてねえで休めよ。』


頭をポンポンと撫でてやる。


葦『...スー...ハアッ...スー...』


しばらく頭を撫でてたら呼吸は少し荒いが眠ったようだった。


荒『俺そろそろ教室戻らないとやばいんで戻ります、また後で来ます。』


先『分かったわ。』


教室に戻ると1時間目は終わり2時間目の途中だった。


先生に心配されたが、体調不良の奴を助けて保健室に一緒に行ったと事情を話せばすぐに理解してもらえた。

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作者名:momo | 作成日時:2020年11月24日 18時

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