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Episode1456 ページ43




心の底からケロロに対する尊敬の眼差しが見え、
少し唖然としていた夏美であったが、
そんな微笑ましさからか笑みが漏れた。



「良かったわね、アイツ。そんな部下を持って幸せよ」



「…まだまだボクは足りないよ」



「え?」



「ギロロ先輩みたいに射撃の腕も全然ない。
タママくんみたいに力も無ければ、ドロロ先輩みたいに素早く行動出来ない。
クルルみたいに優れた頭脳を持っていない。
隊長みたいになんでも出来るわけもない。

そんな強くて凄い人達に囲まれて、ボクは軍人をしている。

…ハロウィンのあの子、覚えてる?」



ギララが夏美に視線を向けると、夏美はハロウィンのあの子。
アリサのことを思い出して「あっ」と呟く。



「…正直、あの子がボクをパートナーに選んだことが理解出来ない。
どういうつもりでボクを選んだのかも」



「きっとその子は、ギララがまだ気付いていない
すっごい才能を見付けたんじゃない?
流石に冬樹とか攫ったりするのは勘弁だけど…」



「…すっごい、才能」



苦笑いする夏美の隣でギララはポツリと呟く。
自分にはまだ気付いていない凄い才能。
それは果たしてなんなのか。



「よく分かんないや」



「ギララ」



「……っ?」



今の声は夏美の声ではなかった。
夢の中で、現実世界でも囁くような声で呼ぶあの声。

いきなり名前を呼ばれたギララは後ろを振り返る。
しかし、彼を呼んだ人物の姿は何処にもおらず、
彼の鼻からはふわりと金木犀の香りがした。



「…ありがとう、夏美ちゃん」



「へ、ど、どういたしまして…」



いきなりお礼を言われた夏美は少し顔を赤くしながらも返事をした。



「そういえば夏美ちゃんは買い物帰り?」



「すき焼きの材料に白滝忘れちゃったらしくって、
ひとっ走りして買ってきたところよ。
ギララも「ごめん」」



「…まだ頭冷えてないから家戻って、
すき焼きパーティーしてきて」



「え?ギララは…」



「隊長に合わせる顔がない」



すき焼きパーティーには行かずに、
隊長であるケロロに失礼な態度を取ってしまったことを根に持つギララは
夏美から制止の声が聞こえるが無視して、
フライングボードへ行ってしまった。



「…どうしたのかしら……」



行ってしまったギララを見送りながらも、
夏美はブランコを降りて日向家へ戻った。


後日、すっかり侵略のことを忘れてたケロロ小隊は
また改めて侵略を再開したらしい。

■Episode1457→←Episode1455



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Irobi(プロフ) - オリさん» コメントありがとうございます。いえいえ、この小説を読んでくれてとても嬉しく思います。それに一気読みまで…!嬉しすぎてなんて返せば良いか分からないくらいです…。これからも不定期更新ですがこの小説を見てくれると嬉しいです。応援ありがとうございます! (2022年5月16日 20時) (レス) id: 52641999dc (このIDを非表示/違反報告)
オリ - 自分が見始めたのは28の時ですが、もう最高過ぎて一気読みしました!キャラ設定が苦手なので伏線等も貼れるその文才とアイデアが羨ましいです!おかげで一番好きな作品が出来たです!これからも頑張ってください!応援してます! (2022年5月16日 6時) (レス) id: 4a481b011a (このIDを非表示/違反報告)
Irobi(プロフ) - ケロロ軍曹好きな一般人さん» コメントありがとうございます。初期から見てくださっていることに驚きを隠せません。とても嬉しいです。ありがとうございます!不定期更新ではありますが、これからもよろしくお願いします! (2022年5月12日 0時) (レス) id: 52641999dc (このIDを非表示/違反報告)
ケロロ軍曹好きな一般人 - 最初の頃から拝見させていただいております。アニメ本編だけではなくオリジナルストーリーもとても面白いです。これからも頑張ってください! (2022年5月11日 22時) (レス) @page43 id: d16d58fe52 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Irobi | 作成日時:2022年4月29日 16時

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