Episode1444 ページ31
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「きゃあああああああ!!!
夏美ぃ!冬樹ぃ!ケロちゃぁん!ギラちゃぁん!助けてぇ!」
「「ママ…!」」
「…こうなったらぶっ殺「もう!遺憾であります!」」
秋が悲鳴を上げて助けを呼んでいた。
夏美と冬樹とギララは猿に襲われる秋を想像するが、
実際のところ、沢山の猿たちは秋を襲ったりせずに、
秋を囲んで呑気に歯磨きをしているだけであった。
「このままではママ殿が湯あたりをしてしまう!」
ケロロはスーツを着てマイクを付けて、
そしてパソコンを持ったまま女湯へと入っていった。
彼が考えた外交テクニック作戦だろう。
しかし、沢山の猿たちは見ざる聞かざるであった。
「…ニン!」
するとドロロは突然姿を消して、女湯へと入っていった。
「…………」
すると、俯きながらケロロが帰ってきた。
「軍曹さん!どうでしたかぁ?」
「…ドロロに任せよっか」
「?ドロロが?」
冬樹が首を傾げながらケロロに聞く。
ケロロは顔を上げると感情を失われたのか
と思わせるぐらいの真顔だったのだ。
「…任せるでごザル…だってよ。ははっ、はは…」
「(い、一体…コイツの身に何が…)」
乾ききった声で笑い出すケロロに
ギロロは冷や汗を垂らしながら憐れむように見た。
「それにしても…大丈夫ですかねぇ」
「…助けに行った方が良い…かな」
「よく分からないが、ひとまずはアイツに任せるんだ」
「…あの人を信じるってことですね」
ひとまずは、猿のことはドロロに任せ、
更衣室で待っているとしようと考えに至った。
__________
「ドロロ、遅いね…」
「ドロロの説得でもダメなのかしら…」
「ひょっとして人質に取られちゃったかもですねぇ…」
「アイツ寒いギャグ言うからねぇ〜…。猿も怒っちゃうかも」
「ドロロ先輩のあーいうところを見てると、
やっぱりこの人もおっさんなんだなってしみじみしますね」
どうやら、ケロロが俯いていたのは、
ドロロが寒いギャグを言っていたのだろう。
あまりのつまらなさにケロロの大切な何かが一瞬だけ壊れていたみたいだ。
そして、そんなドロロにギララも中々の辛辣ものである。
「まさか…アイツはアサシンのトップだぞ?あのような猿共に…」
「でも相手はあの数だしなァ。
優しさが仇となる時もあるぜェ、クックック〜」
ふと、ドロロが人質に捕らえられてしまい、
沢山の猿がクルルのように笑うのを思い浮かべる。
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Irobi(プロフ) - オリさん» コメントありがとうございます。いえいえ、この小説を読んでくれてとても嬉しく思います。それに一気読みまで…!嬉しすぎてなんて返せば良いか分からないくらいです…。これからも不定期更新ですがこの小説を見てくれると嬉しいです。応援ありがとうございます! (2022年5月16日 20時) (レス) id: 52641999dc (このIDを非表示/違反報告)
オリ - 自分が見始めたのは28の時ですが、もう最高過ぎて一気読みしました!キャラ設定が苦手なので伏線等も貼れるその文才とアイデアが羨ましいです!おかげで一番好きな作品が出来たです!これからも頑張ってください!応援してます! (2022年5月16日 6時) (レス) id: 4a481b011a (このIDを非表示/違反報告)
Irobi(プロフ) - ケロロ軍曹好きな一般人さん» コメントありがとうございます。初期から見てくださっていることに驚きを隠せません。とても嬉しいです。ありがとうございます!不定期更新ではありますが、これからもよろしくお願いします! (2022年5月12日 0時) (レス) id: 52641999dc (このIDを非表示/違反報告)
ケロロ軍曹好きな一般人 - 最初の頃から拝見させていただいております。アニメ本編だけではなくオリジナルストーリーもとても面白いです。これからも頑張ってください! (2022年5月11日 22時) (レス) @page43 id: d16d58fe52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Irobi | 作成日時:2022年4月29日 16時