今日:16 hit、昨日:2 hit、合計:13,930 hit
小|中|大
8 ページ46
.
鼓膜をつんざく音楽。
数え切れない程の人が犇めき合った室内。
店の扉を開けた瞬間、そこはまるで異世界のようだった。
煩い。とにかく煩い。
何度あるのか知らないけど熱がある私からしたら、この場所にとどまる事は苦痛以外のなんでもなかった。
にじり、と。度肝を抜いた私が足を一歩後ろに引いたのは無意識で。
なのに未だ腕を掴んでいる相沢謙吾は、私に構う事なく奥へ奥へと進んでいく。
まるでここが自分の庭だというように。
相沢謙吾が歩けば周りの人は伏し目がちに俯き横に逸れ、道を作っていった。
だからこんなに沢山の人がいても、揉みくちゃにされる事はなかった。
「あの…!!」
大声を出し相沢謙吾を呼び止めようとしても、簡単に音楽の音に消されてく。
狂った騒音に頭が痛い。
限界だと悲鳴を上げた体は熱に魘され脳味噌を揺らし、立っているのさえままならない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
9人がお気に入り
9人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
設定タグ:ファシネイティングワールド
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夢乃 | 作成日時:2014年9月12日 20時