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唖然、というより、驚愕した。


散々な噂しかないそれは、想像してたのと違ってきらびやかな空気を纏った綺麗な建物で。


建物の前でテンション高く踊ったりしてる人達を見ると………クラブ、なのかな?



てかそもそも、バイクに乗ってる時「家どこ?」とか聞かれなかったから、勝手にじゃあ駅まで送ってくれるのかなって思ってたのに。なのになんでここ?



だって、もう夜だよ?

しかも私殴られたし!
それに熱もあるし!
何が悲しくてこんなとこに来なきゃいけないの!!?



「ん?どしたの?行こうよ〜」

「え、ちょ、ちょっと待って下さい!」



一人パニックに陥った私とは反対に、ヘルメットを外した相沢謙吾はキーを抜いてバイクから降り建物内に入っていこうとする。



……ヤバい。こんな所に一人残されたら確実に死ぬ。そう思った私は慌ててヘルメットを外し相沢謙吾の背中を追った。


足が長い彼は当然のように歩くのも早く、追い付いた時には建物の前にある受付―――――――クラブでいうセキュリティだっけ。その人と何やら会話をしていた。



「あの相沢……さん?なんでここに?」



確かに駅まで送ってもらえると思ってた私も図々しいけど、こんな場所に連れてきた相沢謙吾の気がしれない。



自分の声が不安に揺れる。


と、ちらり。相沢謙吾が体はセキュリティの方に向けたまま視線だけを私に移し、



「なんでって、俺ここに住んでるし」



八重歯を覗かせて可愛らしいく笑いながら、更に謎めいた事を口にした。




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作者名:夢乃 | 作成日時:2014年9月12日 20時

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