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ブォンブォン!!



「………」



なのにいくら待っても、新しい痛みが体に刻まれる事はなかった。


訝しげに首を傾げ目を開ければ先輩が………ううん。先輩だけじゃなく周りにいる人全てが目を見開いてある一点を凝視し、青白くなった肌を月夜に浮かべてた。



(何……?)


まさか幽霊でも出た?なんて馬鹿な事を考えつつ、つられるように先輩達の視線の先を追った。


と。





「え……?」



耳孔を伝うのは、先ほどから止まらないエンジンを吹かす爆音。


網膜を燃やすのは、ヘッドライトから放たれる真っ白な光。



その音と光を操るのは―――――――…紅蓮のバイクに股がりこちらを見据える人物。



「お前ら、ここで何してる?」



柔らかくウェーブする茶色の髪を風に靡かせるその人は、公園のトイレで出会った……真っ赤なパーカーを被せてくれた、あの男だった。



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作者名:夢乃 | 作成日時:2014年9月12日 20時

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