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藤川side
徳丸くんが走ってストレッチャーを迎えに来てくれて、走ってERカーへ到着した。
その最中でさえも、指示を飛ばす。
『 ミンさん吸引2本お願いします 』
ミン「 了解 」
『 冬木先生全麻でお願いします 』
冬木「 了解 」
何から何まで一人でやりきる。これほど楽しいことなんてないんだ。
ジャケットを脱いで、準備を始める。
『 TO1、AirClean。 』
これ言ってみたかったんだよね〜。初めて私がもらっちゃったな〜。と思いつつも、みんなに的確に指示を飛ばす。
『 ミンさん、血管クランプします。ケリーとペアンお願いします。 』
ミン「 スタンバイします。 」
『 消毒は体幹全面全部で。 』
ミン「 了解! 」
『 徳丸くん、吸引した血液はセルセーバーで回収して輸血で戻します。 』
徳丸「 了解。 」
さあ、必ず救けるから。
TO1の眼の前に立って一呼吸つく。
よし、と心に決めたら、
『 TO1、Open。 』
手術室へ入ると4人だけ。こんな光景、脳外科じゃ見られない。
脳外科は無駄にと言っていいほど人がいる。
もちろん救命も。
『 オペ中は4人しかいません。なるべく早く正確に終わらせます。 』
徳丸「 ERカー初のオペです。失敗しないでくださいよ。 」
徳丸くんに冗談込みで言われる。
失敗なんてしない。こういうオペ何度も何度もシュミレーションして、経験もしてきた。
私なら、やれる。
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作者名:m0m | 作成日時:2023年6月3日 22時