眼の前の命を【TOKYOMER】 (ページ7)

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藤川side

　

喜多見「 A先生！飛んでもらって大丈夫です！」

『わかりました。お願いします！』

初めての出動。喜多見チーフと打ち合わせをしたときから、こういう危ない現場にも飛び込んで行こうって決めた。

なぜなら、眼の前の命を救いたいから。

それができなくて、医者の存在する意味はないと私は思っている。

中に入るとひどかった。人がいたるところで痛みを訴えている。

意識がない人も何人が見受けられる。

喜多見「 A先生は手前お願いします。」

『了解！』

目を合わせると、一気に患者さんの元へ行く。

この1分1秒が生死を争うのだ。

『わかりますかー？お名前教えていただけます？？』

「 … 山田です、」

『痛いの腕ですねー？じゃあまたあとできますねー？大丈夫ですよ！』

一人10秒もかけないうちにトリアージしていく。

向こうで喜多見チーフがやってるのをちらっと見たが、私よりも断然早くて、相当場数をを踏んできたのだろうな。

こんなところで怖気づいている場合じゃない。

3ヶ月前にMER配属が決まった日のことを思い出した。

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