79.皇帝だって嘘をつく ページ33
まるで時が止まったかのように、スタジアムは異常な程の静けさに包まれていた。
一瞬、何が起こったのか把握できなかったAがフィールドに倒れている一星を見て、目を瞬かせる。
「一星！大丈夫か⁉︎」
長い沈黙を破ったのは明日人だった。
状況を理解したAも一星に駆け寄る。
それと同時に、けたたましいホイッスルの音が鳴った。
【あーっと！ここで前半終了だ‼︎日本代表対サウジアラビア代表の試合は日本の1点リードだ！】
そんな実況者の声を耳にし、一星を支えながらゆっくりとベンチに戻るAと明日人。
負担をかけないよう、一星をベンチに座らせる。
「大丈夫？」
つくしがタオルで一星の汗を拭おうとしたが、振り払われてしまった。
「俺は…ただ…光とサッカーがしたかっただけなのに…サッカーで…人を傷つけるような真似までしたのに…光は…光は…」
片手で頭を抑え、もう片方の手で胸を抑えながら呟く一星。ユニフォームは、握りしめている部分にしわが入ってしまっている。
「でも一星くんは野坂くんを助けたでしょ？」
「…だけど…俺は…風丸さんや吹雪さんを…」
尚も否定し続ける一星。Aは困ったように眉を八の字にする。そんな時、野坂が一星の前に歩み出た。
「君は誰も傷つけていないよ。少なくとも今回の試合ではね」
「そういうことだ」
聞き覚えのある声が聞こえ、プレイヤーゲートの方に振り返ると、怪我をして退場したはずの風丸と吹雪が立っていた。
「ど、どうなってるのか…さっぱり…」
訳が分からなくなってきたAは、首を傾げてうーんと唸りながらすっかり黙ってしまった。
「ふたりの怪我は君のペースを崩すための芝居さ。君がふたりを狙うように仕向け、ラフプレーを受けたら、怪我をしたふりをするように頼んでいたんだ」
風丸と吹雪は特訓もしていたらしいが、Aが特訓の内容を聞き出そうとすると、苦笑いで返された。その目は何も聞くなと物語っていた。
「でも…野坂さんの頭は危険な状態なんですよね？」
エマが問いかけると、野坂は微笑みを浮かべて言った。
「安心して。僕の頭が危険だと言うことは、一星くんを惑わすための嘘だから」
「嘘…って」
「「えええええぇぇっ‼︎」」
野坂のカミングアウトに一同の驚愕したような叫び声がぴったりと重なった。
野坂の策略にすっかりと舌を巻いたA達であった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 17人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
加奈子(プロフ) - 星野結花さん» ありがとうございます！ (2019年12月1日 21時) (
レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
星野結花 - この小説すご〜く好きです!これからも頑張って下さい!応援しています(*^_^*) (2019年12月1日 10時) (レス) id: 09968e6ae8 (このIDを非表示/違反報告)
加奈子(プロフ) - りんねさん» 楽しんでいただけて幸いです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
りんね - 妖怪ウォッチもイナズマイレブンも大好きだから見てて楽しいです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: e73a160d29 (このIDを非表示/違反報告)
コロニャん - 返信ありがとうございました！ (2019年6月8日 13時) (レス) id: d3d7c71152 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：加奈子 | 作成日時：2019年4月4日 19時
