69.回収作業 ページ23
＿＿試合当日＿＿
誰もいない静まり返ったロッカールームに誰かが入ってきた。
その人物は電気もつけず、片手に赤いスイッチ付きの機械を持っていた。
室内に自分以外誰もいない事を確認すると、ロッカールームを見回し、ひとつのロッカーの前まで歩いて行った。
立ち止まると音を立てないように慎重に扉を開けると、バッグのファスナーを開け、バッグの中に無造作に手を入れる。やがて中から自分が持っている機械と全く同じ形状の物を取り出す。
自分が持ってきた機械をバッグに入れて、ゆっくりとファスナーを閉める。時刻を確認すると、選手が荷物を取りに来る時間までだいぶ時間があった。バッグから取り出した機械を持って、何事もなかったようにロッカールームを出て行った。
(…まさか…監督にこんな厄介ごとを頼まれるなんて思ってなかったけど…)
エマは小さくため息をつきながら、先ほど回収した機械をまじまじと見つめる。
一見何の変哲もない普通のスイッチに見えるが、あの人が隠し持っていると言うことは、何かに関係するモノなのだろう。
監督の部屋に向かっていると、ちょうど前から野坂と西蔭のふたりが歩いてきた。
とっさに機械をポケットに入れた。
「おはよう王野さん」
「おはようございます。野坂さん。西蔭くん」
お互いに軽く挨拶を交わして通り過ぎた。ふたりの姿が見えなくなると、ほっと胸を撫で下ろした。
そのまま、監督がいる部屋に入ろうとすると、いつのまにか子文がエマの目の前にいた。
「お疲れ様です。恵麻さん。親分は今お取込み中なので、自分に渡すように言われました」
「くれぐれも押さないように気をつけてください」
「ご協力感謝します」
「じゃあ、私はこれで」
エマが部屋に戻ろうとすると、スイッチを持った子文が思い出したように声を上げた。
「あ、そうだ！恵麻さ〜ん！待ってください！」
呼び止められて子文のもとへ戻ると、子文から群青色の腕時計のような物とイレブンライセンスを渡された。
「イレブンライセンス⁇私は1枚持ってるんですけど…」
「親分が無くした時のために…って…イレブンバンドは指示を出す時や、選手の皆さんとの連絡。体調管理にも役立つんですよ！」
「なるほど…便利ですね」
興味深そうにイレブンバンドを覗き込むエマに子文はイレブンバンドの使い方を説明していた。
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加奈子(プロフ) - 星野結花さん» ありがとうございます！ (2019年12月1日 21時) (
レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
星野結花 - この小説すご〜く好きです!これからも頑張って下さい!応援しています(*^_^*) (2019年12月1日 10時) (レス) id: 09968e6ae8 (このIDを非表示/違反報告)
加奈子(プロフ) - りんねさん» 楽しんでいただけて幸いです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
りんね - 妖怪ウォッチもイナズマイレブンも大好きだから見てて楽しいです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: e73a160d29 (このIDを非表示/違反報告)
コロニャん - 返信ありがとうございました！ (2019年6月8日 13時) (レス) id: d3d7c71152 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：加奈子 | 作成日時：2019年4月4日 19時
