62.夜中の訪問者 ページ16
夜中の10時頃…Aの部屋から窓を叩く音がしていた。
…ドンドンドン…
(うるさいなぁ…今寝てんのに…)
不快に思ったAが寝返りをうち、枕で両耳を塞いだ。が、窓を叩く音は止まることはなかった。
鳴り止まない音に苛立ちを覚えたAは、青筋を立てて、枕を片手に布団から飛び起きると、窓を力任せに開け放った。
「窓を叩くな‼︎」
そう叫んだ後、相手に枕を叩きつけた。
窓を叩いていた人物の顔を見ると、Aの顔が一気に青ざめた。
「窓を叩いた私が悪かったですけど、いきなり枕を投げつけるなんて乱暴すぎですよ。A先輩」
Aが投げた枕を片手にエマが仁王立ちをしていたのだ。
いつもとは違う紅い瞳に、紺色の髪が夜風に吹かれている。
Aがあぜんとしていると、突然Aの部屋の扉が開いた。Aがわれに返って振り返ると、不動が扉の前で立っていた。
「こんな夜中になに叫んでるんだよ」
「ごめんごめん。なんか窓がガタンガタンうるさくてさ。猫が爪とぎしてたみたいで…あはは…」
不動は怪訝そうに眉をひそめた。
Aの目が泳いでいるうえ、不動が部屋の中を覗き込もうとすると、背伸びをして妨害した。
「本当かどうか確かめさせてもらうぜ」
「え…ちょっと明王！」
Aの制止を振り切って、不動が部屋の中に入ってきた。
(ヤバい…不動先輩が来た…)
窓の下に隠れていたエマがこの状況を打破しようと行動に出た。
(やりたくはなかったけど…仕方がない…)
「にゃ〜」
「猫の鳴き声…か？」
「今の聞いたよね！猫だって分かったなら、帰った帰った！」
Aは不動を部屋から追い出して、扉の鍵をかけた。
不動が去って行った後、Aはエマの顔を見て、お腹を抱えて笑い始めた。
「猫の鳴きマネって…あはははっ！」
「…仕方ないじゃないですか…」
「あははっ！笑いすぎてお腹痛い！」
口を尖らせて、不機嫌そうにAを睨みつけたエマは人間姿に戻り、ベッドの上で笑い転げるAの隣に寝転んだ。
「自分の部屋に帰る気力もないので…一緒に寝させてもらいます。おやすみなさい」
「え…あ…お、おやすみ…」
そう言って静かに寝息を立て始めたエマを見てから、Aもエマの隣に寝転んで、眠りに落ちた。
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加奈子(プロフ) - 星野結花さん» ありがとうございます！ (2019年12月1日 21時) (
レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
星野結花 - この小説すご〜く好きです!これからも頑張って下さい!応援しています(*^_^*) (2019年12月1日 10時) (レス) id: 09968e6ae8 (このIDを非表示/違反報告)
加奈子(プロフ) - りんねさん» 楽しんでいただけて幸いです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: a62379125a (このIDを非表示/違反報告)
りんね - 妖怪ウォッチもイナズマイレブンも大好きだから見てて楽しいです！ (2019年6月14日 20時) (レス) id: e73a160d29 (このIDを非表示/違反報告)
コロニャん - 返信ありがとうございました！ (2019年6月8日 13時) (レス) id: d3d7c71152 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：加奈子 | 作成日時：2019年4月4日 19時
