赤く染まらないハートの女王【僕のヒーローアカデミア】【男主】 (ページ7)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:14,462 hit

☆番外編二人の出会いページ7

あいつとの出会いはどうにも唐突で。

バリアなんて厄介な個性を持った敵(ヴィラン)が暴れている道端に、ふと現れたのだ。

「よし……倒すか」

「いや待てよ。誰だお前」

「あ……？通りすがりの個性使用許可証持ちだが。お前は？」

「俺は轟焦凍。プロヒーローだ。そして名前を言えよ」

「轟焦凍……同い年のやつか。めんどくさ……俺は赤死Aだ」

悪魔に愛されたかのごとく整った顔立ちをした赤死は部屋着のような格好をしていた。もったいない。

それにしても眠そうにしてるな、こいつ。

「あの敵(ヴィラン)、物理攻撃系効きにくいやつだろ……そしてこの辺に精神系攻撃はいない、俺以外はな」

「赤死……」

「叔母さんの仕事が増えるのは避けたいし」

「叔母さん思いなんだな……」

「は？叔母さんの仕事が増えたら俺の家事分担が増えるから嫌なだけだ」

「最低だなお前!?」

ともあれ、赤死に任せてみることにした。たぶん、この場で一番頼りになるのは正体不明の彼だ。

「──この娘の首を跳ねよ！」

指差して言った瞬間に、敵(ヴィラン)が顔をひきつらせて倒れた。

その後何も言わずに帰ろうとした赤死を呼び止め、ヒーローにならないかと必死に勧誘した。

説得には本当に手間取った……「俺はニート極める」とか言い出すし。

今から思うと、あんなに彼に執着していたのはあの頃からすでに彼に何かを感じていたからなのかもしれない。

まぁ、仕事はできるしサボりがちだけど悪いやつでは……。

「赤死、俺お前を合格者に見たことないんだが」

「あぁ、許可証は叔母さんのコネ……じゃなくて米で手にいれたから」

「何一つ誤魔化せてねぇよ！」

いや。ろくでもないやつではあるか。