【恋】を証明できるのは ページ4
「……というわけで、どうすりゃいいと思う？」
「知るか！ 死ね！」
──相談する相手を間違えたかもしれない。
と、目の前の爆豪を見ていた。
今を輝くヒーローの一人である爆豪をなんとか掴まえて、相談に乗ってもらおうとしている。爆豪は才能マンと呼ばれているし、恋愛に関してもそうかもしれないだろう、と思ったのだが。
まぁ何だかんだ話を聞いてくれるようだし、続けてもいいだろう。
「そもそも、俺も赤死も男で……世間一般に【恋】と呼ばれるものなのかも、よく分かんねえ」
「テメェは恋愛でも舐めプかよ。あﾞぁ？ 性別なんか関係ねぇよ。テメェがそれを【恋】だと思ったんならそれはテメェ以外に証明できるはずもねぇ」
爆豪は不機嫌そうに言う。
「舐めてんのかテメェ。相手に告白されたんだろうが。好きなら好きって言え。抱いてほしいなら抱けって言え。言われるの待ってんのは卑怯だ」
もう舞台は整ってんだ、と爆豪。
「片想いならまだテメェがグズグズする理由も分かるやつもいるだろうな。性別？ テメェは敵(ヴィラン)に対してや同業に対しても性別で差別すんのか」
「しねぇよ」
「だったら何も問題ねぇだろうが！」
テーブルを思いきり叩き、爆豪は目付きを鋭くしながら叫ぶ。俺の家でよかった……。
「ちっ、無駄な時間使っちまった。俺は帰る」
「……あぁ。ありがとう、爆豪」
「うるせぇ死ね！」
最後に一度手のひらで小さく爆破すると、爆豪はやけに丁寧にドアを閉めて出ていった。
……爆豪を相談相手に選んだ俺は間違ってなかった。爆豪の言葉はぐだぐだと悩んでいた俺の背中を乱暴に押してくれた。
「……もしもし赤死。話があるんだ。今日の午後七時から暇か？」
『……空いてる。絶対行くから、家で待ってろ』
「分かった」
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革ベルト
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作者名：紅葉蓮 | 作成日時：2017年3月15日 23時
