６［とても暖かい、その小さな手］ ページ7
「いや、違う。実は先程廊下で話していたのを見かけてな。入りづらい雰囲気だったから遠慮したが」
「えっ」
「だから頭を撫でられた時の照れ顔もばっちり見た」
「えぇっ！？」
え、恥ずかしい……。廊下に出た後もちょっとだけ話したのを見られていたなんて全く気づかなかった。
もっと周囲の状況を把握できるようにしておかないと、何かの時に足元を掬われかねない。油断大敵だ、そのつもりがなくても恨まれて陥れられ、思わぬ身の破滅があったりすることくらい、知っている。
分かってはいないけれど、知っている。
「さてロウレス──何が見えた？」
凛として私を見据えるオフィーリアに、私は少々可能性の話に怯えつつも口を開いた。
「月が、消える……？」
オフィーリアは目を見開き、信じられないとでも言いたげに私の言葉を繰り返した。
「信じられないのも無理はないっス。──オレも、正直あまり実感がない」
「いや、信じる。ロウレスがこんな嘘をつくとは思わないからな。ただ、想像できないだけだ」
「信じてくれてありがとう、オフィーリア」
そしてごめんなさい、オフィーリア。私は違う。私は、あなたが信じるロウレスじゃないから。──ただの、
「──そう泣きそうな顔をするな。大丈夫、お前は一人じゃない」
「むぐっ」
頬を包まれ、引き寄せられる。オフィーリアは怒っているとも、慈しんでいるとも言いがたい表情だ。でもその手と心から、身に余るほどの優しさと暖かさを感じた。
「違うんスよ、オフィーリア。オレは悲しいんじゃない」
嬉しいのだ。とても、とっても。親切にされてるのは私ではないけれど、そんなの気にならないくらいに、感情が溢れ出して仕方ないだけなのだ。
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紅葉蓮(プロフ) - ゆきさん» コメント、とっても励みになります、ありがとうございます！決して速いとは言えない執筆速度ですが、これからも頑張ります！ (2018年8月9日 16時) (
レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 面白くて一気に読んでしまいました！すごく面白くて続きが気になります！更新楽しみです！頑張ってくださいです！ (2018年7月28日 17時) (レス) id: aec3587ece (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮(プロフ) - もちもちくまさん» ありがとうございます！これからも頑張っていきます！ (2018年5月12日 21時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)
もちもちくま - サーヴァンプファンとして更新楽しみにしてます！応援してます！ (2018年5月12日 12時) (レス) id: 866e8ecc84 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮＊文才ほしい(プロフ) - ネアレ殿さん» わーそこに反応していただき嬉しいです！！ありがとうございます、頑張ります！ (2017年11月21日 20時) (携帯から) (レス) id: 5fe719242e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉蓮 | 作成日時：2017年4月6日 19時
