１１［強欲には秘密の話］ ページ12
「父上、入ってもよろしいですか？」
「……オフィーリアか。構わない」
「失礼します」
夜。ロウレスが城にいない頃、オフィーリアは国王の部屋を訪れた。それは、あることを相談するためである。
「ロウレスについてなのですが……」
「だろうな。ギルデンスターンも先程までここに、同じ理由で来ていた。──して我が愛しの娘、オフィーリア。あれをどう考えている？」
穏やかな雰囲気を一気に真剣なものに塗り替える王。オフィーリアは緊張を隠さず、そしてどうにも悲しそうに声を発する。
「以前言っていた、兄弟に会ったのかと思いましたが……しかし」
ロウレスは兄弟について悪態をついてはいたが、本当に慕っているように見えた。喧嘩をしたせいであんなことになっている可能性もあるが、これまでのロウレスを知っているオフィーリアとしては、喧嘩をすればロウレスは何かしら愚痴ると思う。
「私は最初、お主と喧嘩したのかと思った」
「いえ、そんなことはありません」
「本人からも否定されたから、それは分かる。──喧嘩をしたにせよ、普段と態度が違うことも不可解だ」
ロウレスが誰かと喧嘩した場合、拗ねて苛立っていることが多い。だが、今のロウレスは拗ねているとも苛立っているとも違い──
「どこか、寂しそうだ。何かを迷っているようにも見えるが、少なくともそれは例の予知能力についてではないだろう」
「……私や、ギルデンスターンにも相談できないようなことなのでしょうか」
「誰にも話したくないようなことでもあったのかもしれないな。兄弟の線が薄いのなら……」
あるいは、親だろうか。ロウレス達を作った天才。ロウレスが『あの人』と呼び慕う人物。
「……どうにも、どの推理も釈然としない。何もできないのは、歯がゆいな」
王は自嘲するように唇を歪めた。
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 77人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紅葉蓮(プロフ) - ゆきさん» コメント、とっても励みになります、ありがとうございます！決して速いとは言えない執筆速度ですが、これからも頑張ります！ (2018年8月9日 16時) (
レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 面白くて一気に読んでしまいました！すごく面白くて続きが気になります！更新楽しみです！頑張ってくださいです！ (2018年7月28日 17時) (レス) id: aec3587ece (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮(プロフ) - もちもちくまさん» ありがとうございます！これからも頑張っていきます！ (2018年5月12日 21時) (レス) id: e2cb5510b9 (このIDを非表示/違反報告)
もちもちくま - サーヴァンプファンとして更新楽しみにしてます！応援してます！ (2018年5月12日 12時) (レス) id: 866e8ecc84 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮＊文才ほしい(プロフ) - ネアレ殿さん» わーそこに反応していただき嬉しいです！！ありがとうございます、頑張ります！ (2017年11月21日 20時) (携帯から) (レス) id: 5fe719242e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紅葉蓮 | 作成日時：2017年4月6日 19時
