誘拐二日目[5] ページ14
「落ち着いたか?」
「うん。ありがとう桜哉」
「目が充血してるな……目薬でもさしとけ」
桜哉が救急箱を勝手に漁り、目薬を取り出した。それを受け取ると、また一言お礼を言う。
「……実際問題、返すってどうする気だ?」
「それは、きちんと考えてあるよ。あのね、桜哉」
俺は、最初から考えていた結末を、桜哉に話した。
*
桜哉は桜哉の分だけ朝ごはんを食べると、帰った。御園と真昼くんも、そろそろ起きるだろう。
はぁ、と息を吐くと、全身に倦怠感が残った。それを振り払うために、べしっと頬を叩く。
刹那、寝室の扉が開かれ、てとてととおぼつかない足取りで、真昼くんと御園がリビングに来た。
くっ……可愛い。あざといなホント。
「おはようお兄ちゃん……」
「せいは、おはよう…」
「うん、おはよう。朝ごはんできてるぞ」
そういえば昨日、御園は服のまま寝たのだった。寝苦しくはなかったようだけど、やっぱり替えの服とか…いるよな、あと一日とはいえ。
朝ごはんを用意し、自分の部屋に向かう。何かあったかな……。
「……どうしよう」
クローゼットの前で、悩んでいた。いや、真昼くんは城田さんから借りた服あるけど、御園はない。
目を閉じてしばらく考えていたら、いつの間にか結構な時間が経っていたらしく、目を開けると真昼くんも御園もいた。
上目遣いホントなんなの可愛すぎるんだけど!何しても可愛いって最強じゃないか…。
「お兄ちゃん、このおようふくなーに?」
「御園!?それしまって!?」
同輩から押し付けられて、(高そうだったから)無遠慮に捨てることもできずにいたフリフリのスカートを御園が自分の体の前に持ってきていた。
可愛い子って、女の子用の着ても違和感ないんだな…と思った。着てないけど。
ラッキーアイテム
革ベルト
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紅葉蓮*誰か私の誕生日を祝って←(プロフ) - かなとさん» 私もこの作品は楽しんで書いてる節があるので、楽しそうと思っていただけたなら嬉しいです! (2016年9月8日 15時) (携帯から) (レス) id: 5fe719242e (このIDを非表示/違反報告)
かなと(プロフ) - 楽しそう。桜やんとの友情 (2016年9月7日 21時) (レス) id: f3cb0d8152 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮*文スト募集企画第二段発動(プロフ) - ななさん» ありがとうございます!私の妄想の固まりですが、読んでいただければ嬉しいです! (2016年9月5日 17時) (携帯から) (レス) id: 5fe719242e (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 続きが気になります!更新頑張ってください。 (2016年9月3日 21時) (レス) id: eb636dc923 (このIDを非表示/違反報告)
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