マンションの住民転生者【企画小説】

第参拾漆話　〔宮部みゆき:可愛い夜叉娘〕 ページ38

「…狙いは人虎か」

フランシス…手段を選ばないな。

待て、基次郎クンが居るなら…

「みゆきさん!?」

維新クンの声を無視して、後ろの車両に走り出した。

「鏡花クン…!!」



予想通り、だ。

泉鏡花…矢張か。

乗客が居るな、隠そう。

「異能力、過ぎ去りし王国の城。乗客を隠せ」

乗客を空間に入り込ませ隠す。
その間に、人虎の元に向かう。

「大丈夫か?」
「あ…貴女は…?」
「偶々居合わせた死刑囚さ。…久しぶりだなぁ鏡花クン」

目の前の少女に目を向ける。

冷酷な、でも悲しそうな瞳。

…夜叉白雪。厄介なものだ。

「みゆきさん…。…でも私は貴女を少ししか知らない」
「それはそうだ。…君が来る前に私は捕まったからな」

人虎を抱き起こし、鏡花クンを睨む。

携帯、あれで操ってるのか。

『終わらせろ』

この声…龍か!?

『みゆきさんを攻撃するな。人虎を襲え夜叉白雪!』

常々だ。

ｰｰｰｰｰｰこれは手惑うな。

第参拾捌話　[西尾維新：探偵社との遭遇]→←第参拾陸話　〔宮部みゆき:マフィアの可愛い爆弾魔〕

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