第参拾弐話 〔宮部みゆき:殺しはよくない〕 ページ33
中々殺さない少年に嫌気がさし、静かに目を開けた。
見ればナイフが震えている。ガタガタ、何かを訴えているように。
私は小さくため息をつくと、そのナイフの刃を握り棄てた。
「!?」
「今、大丈夫?喫茶店にでも行こう」
嫌がる少年を無理矢理連れ出し、うずまきに向かった。
「あれー?宮部さん?」
「おぉ!乱歩クン。お久しぶり」
向こうから歩いてきた青年、江戸川乱歩。
頭脳明晰な名探偵のこの子には、矢張勝てない。
何度も何度も、トリックを見破られる。
「久しぶりです。…あれ?その子は?」
「んー腐れ縁?」
「面白そうだ!僕も行きまし!」
勿論、宮部さんの奢り!と笑うこの子に、苛立ちが募った。
「乱歩クン、頼みすぎ」
目の前にあるのは、パフェ、パフェ、パフェ…。
こんなに頼むとは…。流石。
「大丈夫です。で、どんな腐れ縁なんですか?」
私は少年との関係を話した。
勿論、伏せずにちゃんと。
牢獄送りの死刑囚なんて、この子にはとっくにしられている。
「成程…。詰まんないです!」
「聴いといて其は無いよ、乱歩クン」
矢張、この子の気紛れは相変わらずか。
私は彼の頭を撫で、少年に向き合った。
「名前は?」
「城田…珠恵」
「珠恵…女の子みたいね」
「五月蝿い!!」
珠恵…か。
…可愛いな。
「珠恵クン。細かいことは後に聴こう。でも、殺しはよくない。その後に残るのは…
ｰｰｰ絶望と哀しみと…愛情だけ」
第参拾参話 〔宮部みゆき:ごめんなさい〕→←第参拾壱話［有川浩:試験前］
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紅葉蓮＊現在、二作品を集中更新中(プロフ) - http://uranai.nosv.org/u.php/novel/momizi201282/ ……託します。前回とパスワードは変わっていません。PS．鋼夜さん、下手くそながらつなげておきました。 (2016年11月4日 21時) (携帯から) (
レス) id: 5fe719242e (このIDを非表示/違反報告)
鋼夜(プロフ) - 紅葉蓮＊現在、二作品を集中更新中さん» どうぞどうぞ！！！むしろお願いします！！！ (2016年11月4日 19時) (レス) id: 3a97038ed1 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ(プロフ) - 今まで姿消していてすみません…。またちょこちょこ書いていきます…！ (2016年11月4日 18時) (レス) id: 36c09305b3 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮＊現在、二作品を集中更新中(プロフ) - 鋼夜さん» あ、繋げていいですか？ (2016年11月4日 18時) (携帯から) (レス) id: 5fe719242e (このIDを非表示/違反報告)
鋼夜(プロフ) - 紅葉蓮＊現在、二作品を集中更新中さん» 了解です！ありがとうございます！！！ (2016年11月4日 7時) (レス) id: 3a97038ed1 (このIDを非表示/違反報告)
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