第拾壱話[西尾維新:お前はお前の存在を許すのか] ページ12
「何してるの?」
「!」
路地に居たのは、髪をお下げにした着物姿で、首から携帯電話をかけている可愛らしい女の子だった。
僕は彼女に、全く脈絡のない事を云った。
「……ねぇ、君は人殺しについて如何思う?」
「……ぇ」
「僕は最悪だと思うよ」
喧騒が聞こえなくなり、温かかった空気は冷え、広い路地は狭くなり、軽い空気が重苦しくなったような気がした。
「断言出来る。人を殺したいという気持ちは史上最低の劣情だ。他人の死を望み祈り願い念じる行為は、どうやっても救いようもない悪意」
「……」
「理由があろうが無かろうが、どんな理由があろうがそんなのは僕の知ったことじゃない。人殺しと云うだけで最低だ」
少女は黙って、光のない目を背けて僕の言葉を聞いていた。
「人殺しに贖罪も謝罪も断罪も出来やしない。其れ程の罪悪だから」
僕は続ける。
「断罪で無くなり、判断されるような罪悪じゃない。人を殺した人間は全員、例外なく地獄の底にまで堕ち沈むべきだとは思うけどね」
「でも」
「君には関係ないでしょ?僕が人殺しをどう思おうが、君が人殺しじゃないのなら関係ない」
ビクッと怯えた様な表情をして、少女は一歩後退りした。僕はそれでも続ける。
「散った命は戻らない。散らせた世界は戻せない。人殺しに会ったら、一回聞いてみたいものだよ」
きっと今の僕は感情なんて微塵もない、死人のような黒目をしているのだろう。
「お前はお前の存在を許すのか、ってね」
「……っ」
「それじゃ」
帰りに道端で倒れていたみゆきさんを深月ちゃんに押し付け…預けて家に帰った。
*
ごめんなさい、勝手に繋げてしまいました。
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紅葉蓮*現在、二作品を集中更新中(プロフ) - http://uranai.nosv.org/u.php/novel/momizi201282/ ……託します。前回とパスワードは変わっていません。PS.鋼夜さん、下手くそながらつなげておきました。 (2016年11月4日 21時) (携帯から) (レス) id: 5fe719242e (このIDを非表示/違反報告)
鋼夜(プロフ) - 紅葉蓮*現在、二作品を集中更新中さん» どうぞどうぞ!!!むしろお願いします!!! (2016年11月4日 19時) (レス) id: 3a97038ed1 (このIDを非表示/違反報告)
わたうさ(プロフ) - 今まで姿消していてすみません…。またちょこちょこ書いていきます…! (2016年11月4日 18時) (レス) id: 36c09305b3 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉蓮*現在、二作品を集中更新中(プロフ) - 鋼夜さん» あ、繋げていいですか? (2016年11月4日 18時) (携帯から) (レス) id: 5fe719242e (このIDを非表示/違反報告)
鋼夜(プロフ) - 紅葉蓮*現在、二作品を集中更新中さん» 了解です!ありがとうございます!!! (2016年11月4日 7時) (レス) id: 3a97038ed1 (このIDを非表示/違反報告)
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