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マフィア本部へ帰る ページ7

骨は踏み擂り潰され、粉状になり、血管、肉体は切り刻まれぐちゃぐちゃになり、大量の血に混ざり、人間とは血だけで形成されているのではないかと錯覚を起こさせる。


「……うわ、えげつねぇ」
「はっ……えっと、俺は……あ、ああ〜……察しました」


ニタニタと笑っていた琵琶の表情が消え去り、無感情かのような無表情に戻る。本来の琵琶がしまわれ、作り出された人格が表に出たのだ。


「首領に連絡するから、拷問班……西尾だっけ? に連絡してくれ」
「はい、了解しました。もしもし?」


携帯通信機(トランシーバー)を取り出し、拷問班に繋ぐと、相手の応答を聞かずに話始める。


「……と云う訳でお願いしますね」
『ちょっと待て聞け』
「え、だって其の方が効率が良いじゃないですか」
『納得した。後で持ってくれば拷問しておこう』


後で持ってくればゲームを進めておくぜ的なノリで云った西尾だった。琵琶は其れに対し、日本人特有であろう、電話越しに頷くと云う行為をし、電話を切った。

西尾と琵琶は、なかなか如何して、仲が良いのだ。無表情同士、だからかもしれないが。

琵琶は中原に声をかけ、生け捕りにした者らを送り届けるから、其の間に残りの任務と部下を頼むと云う旨を伝え、自らは単独でマフィア本部へ帰る事にした。

其処から琵琶は合流する事はなく、中原は半年以上、新たに発生した小競り合いを鎮圧するのに奮闘する事となる。其れは諸君らの知る処ではない。


「……有益な情報が手に入れば善いのですが」





「おやおや琵琶じゃないか如何したんだいそんな表情をして」


琵琶に話しかけた背が高い青年は艶めいた黒髪の散切り頭をし、切れ長の目は全てを吸収しているかの如く黒く、端正な顔立ちをしていた。

句読点なしでも聞き取りやすい流暢な発音は聞いていて心地いい。

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作者名:紅葉蓮 | 作成日時:2016年7月7日 21時

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